しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「日本型組織の特質」を考える

久しぶりに月刊誌「文藝春秋」を購入しました。


真っ先に読んだのは、ノンフィクション作家・保阪正康さんの

『昭和の軍人に見る「日本型悪人」の研究』でした。

保阪さんは、「平然とウソをつく、白を黒と言いくるめる、

失敗すると居直って部下に責任をなすりつける、そして正論をぶつけてくる相手を攻撃する」‥‥、

これが日本型悪人のタイプであり、

こういう人物はいったん力を持つようになると押さえるのは至難の業で、

周囲には、次第に支える人も出てくる‥‥、と指摘されていました。


“権力を持った愚将”として例に挙げられていた昭和の軍人は、

・太平洋戦争開戦時の首相である東条英機

インパール作戦の司令官だった牟田口廉也

・東条内閣で海軍大臣となった嶋田繁太郎

ノモンハン事件の作戦参謀だった辻政信


これらの昭和の軍人と対比されていたのが、(いずれも当時の肩書で)

財務省の文書改ざん問題で辞任した佐川宜寿国税庁長官

・意図的に対戦相手の選手にケガを負わせる事件が発覚して辞任した日大アメフト部の内田正人監督

日本ボクシング連盟の私物化が明るみに出て辞任した山根明会長


う~む、なるほど‥‥。言われてみると確かに共通点があるような気がします。

なお、保阪さんは、この特集記事の最後で、

『「日本型悪人」は厚顔無恥です。おかしいと思ったら、はっきりと声を上げなければ、

組織の上に平然と居座り続けてしまいます。』と述べられていました。


「今も昔も、組織に巣くう悪い奴らがいる」というのは、確かにおっしゃるとおりなのですが、

その組織のなかで正論を主張するのは、なかなかできるものではありません。

なにせ、「物言えば唇寒し」という漠然とした「空気」が、組織と組織人を支配していますから‥‥。

これが今も昔も変わらない「日本型組織の特質」なのかもしれません。

文藝春秋 2018年 10 月号

文藝春秋 2018年 10 月号

花音痴の嘆き

今日15日は、敬老の日です。

父がデイサービスセンターの通所サービスを正式に利用するようになって、今日が2回目となります。

サービスのなかでも入浴と食事が父のお気に入りのようで、今日も満足した顔で帰ってきました。

来週の土曜日は、小学一年生の孫娘(父にとっては曾孫)の運動会です。

そのため、サービス利用日を平日に振り返ることにしたみたいです。


さて、話は変わりますが、今朝起きてみると、玄関先の庭に奇麗な白色の花が咲いていました。

毎年この季節になると、律儀に花を咲かせてくれます。

ところが、花音痴の私は、この花の名前を知りません。

子供の頃に、花が好きだった母から、いろんな花の名前を教えてもらっておけば、

もう少し感性が豊かな人間に育ったのではないかと自己分析をしています。(変わらなかったとは思うけど‥)

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タマスダレ」という花なのかな‥‥?

極早生みかんの思い出

妻が極早生みかんを買って帰りました。

甘酸っぱい極早生みかんを食べると、母が作ってくれたお弁当とともに、

小学生の頃の運動会を懐かしく思い出します。


その極早生みかんの関東市場向けの出荷が、

西日本豪雨で甚大な被害を受けた愛媛県内有数のかんきつ産地、

宇和島市吉田町で始まったとの報道がありました。


幾多の困難を乗り越えて実った極早生みかんは、きっと飛びっきり美味しいと思います。

全国の皆さんも、店頭で愛媛県産極早生みかんを目にしたら、

被災地の復興支援のためにも、ぜひ買って食べていただきたいと思います。

ご協力のほどよろしくお願いします。

睡眠についての雑感

昨日の朝、テレビでNHKニュース「おはよう日本」を見ていると、

睡眠時間に関して、次のような報道がありました。

報道内容を「NHK NEWS WEB」から引用させていただきます。


『日本人の睡眠時間について厚生労働省が調査したところ、

 40代のおよそ半数が平均で6時間未満だったことがわかりました。

 厚生労働省は睡眠不足になると精神的な病気や高血圧などにつながるおそれがあるとして、

 注意を呼びかけています。

 厚生労働省は去年11月、全国の20歳以上の男女6500人余りを対象に

 睡眠時間などの生活習慣について調査しました。

 このうち1日の平均睡眠時間が6時間未満だった人は、全体で男性が36.1%、

 女性が42.1%にのぼり、中でも40代が最も多く、

 男性が48.5%、女性は52.4%とおよそ半数にのぼりました。

   ~ (中略 )~

 さらに直近の1か月間に睡眠で休養が十分に取れたか尋ねたところ、

 「あまりとれていない」や「全くとれていない」と答えた人は、

 全体では20.2%にのぼり、40代では30.9%に達しました。

 休養が十分取れていないと答える人の割合は平成21年の調査以降、徐々に増えていて、

 厚生労働省は「睡眠不足になると精神的な病気や肥満、

 それに高血圧などにつながるおそれがあり、働く時間を短くしたり家事を家族で分担したりして

 適切な睡眠時間を確保してほしい」と呼びかけています。』


睡眠に関しては、何度もこの日記に書いているように、

私は、午後10時頃に寝床に入り、午前5時にセットした

「NHKマイあさラジオ」の放送開始音楽を聴きながら起床します。


睡眠時間としては、7時間を確保していることになるのですが、

毎日必ず午前0時頃と午前2時頃に目が覚めてトイレに行き、

午前4時過ぎに再び目が覚めると、それからは眠れないので、

「あぁ~、ぐっすり眠れた」という満足感を、ここ何年も、まったく味わったことがありません。

こういう症状を、「中途覚醒」・「早朝覚醒」と呼ぶのでしょうか?

それともただ単に、加齢に伴う現象なのでしょうか?


報道では、「1日の平均睡眠時間が6時間未満だった人は、全体で男性が36.1%」

とのことでしたが、たとえ6時間未満でも、眠りの熟度が高い人は、私には羨ましく思います。

あぁ‥‥、何時間でも憂いなく眠ることができた、若かりし頃が懐かしいです‥‥。

わずかのことが‥‥

今日12日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、

パスカルの『わずかのことがわれわれを悲しませるので、わずかのことがわれわれを慰める。』

という言葉で、いつものように鷲田清一さんの次のような解説がありました。


『〈私〉の存在には不動の確かな足場などない。

 この虚(むな)しさから人はいつも目を逸(そ)らそうとする。

 仕事も恋も遊びもみなそういう気散らしとしてあると、17世紀フランスの思想家は言う。

 こういう醒(さ)めた物言いにはしかし効用もある。

 人は仔犬(こいぬ)のいたいけな仕草(しぐさ)にも慰められる。

 すると爆発寸前だった怒りや不満も些細(ささい)なことに思えてくる。

 「パンセ」(前田陽一・由木康訳)から。』


パスカルといえば、

『人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。

 だが、それは考える葦である。』という、あまりにも有名な名言があります。

NHKEテレのテレビテキスト、「100分de名著~パンセ」を読んで、

中公文庫の分厚い本を購入したのですが、枕元で積読状態になっています。

たまには、パラパラとページをめくって、今日のような名言を見つけたいと思います。

パンセ (中公文庫)

パンセ (中公文庫)