しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

孝行のしたい時分に親はなし

今日16日の朝日新聞一面コラム「天声人語」は、

東洋大学現代学生百人一首」に関しての話題でした。

コラムによると、32回目の今回は、5万7千首超の応募があったそうですが、

そのコラムで紹介された次の二句を読んで、亡き母のことを思い出し、目頭が熱くなりました。


『長く過ごした巣を離れる時も、やがて訪れる。

 〈「地元出る。」決意を伝えたその時の涙溢(あふ)れた母の表情〉高3佐藤優花(ゆか)。

 いつでも母は見守っている。早くも親元を離れ、詠まれた歌であろう。

 〈ありがとうLINEではなく電話する母から届いた荷物眺めて〉高1大田洋輔。』


この二句を読んで、初めて親元を離れ、京都で大学受験の浪人生活を送っていた頃、

母が数か月に一度、小さい小包を予備校の寮に送ってくれたことを思い出しました。

箱の中を開けると、衣服や缶詰、お菓子などとともに、短い手紙が添えられていました。

どんなことが書いてあったのか、もうすっかり忘れてしまったけれど、

荷物が届き、母の手紙を読むたびに涙したことは、今でもはっきりと覚えています。


いろいろと母には苦労を掛けたので、親孝行して恩返しをしたかったけれど、

本人はもうこの世にはいない、それがとても残念です‥‥。

私も、格言の「孝行のしたい時分に親はなし」が、ようやく理解できる年齢になりました。

3連休中の出来事

一昨日、自宅近くの大型ショッピングセンター敷地内にあるベンチに腰掛け、

うつむいて財布の中にあるレシートを整理していたところ、

真上の方角から、「スミマセン、郵便局はどこにありますか?」と尋ねられました。


見上げると、アジア系外国人とおぼしき30歳前後の若い男性が立っています。

店舗内に設置されている郵便局の場所を彼に説明しようとしましたが、

上手に説明できる自信がなかったので、一緒に歩いてその場所に向かいました。


道すがら、私から「どちらの国から来られたのですか?」と聞くと、「ベトナムからです」。

次に、「日本に来てどれくらい経つのですか?」と聞くと、「2か月前です。」

最後に、「日本語がとてもお上手ですね。」と言うと、ちょっと照れながら「はぃ、少しだけ」と一言。

会話をしているうちに目的の郵便局に着いたので、

「ここです。これが郵便局のマークです。」と私が言うと、彼は深々と頭を下げて「ありがとうございます。」


う~む‥‥。まいったな‥‥。

日本に来るまでに日本語の研修を受けたのかもしれませんが、

それにしても、たった2か月でこんなに日本語が上手に喋れるなんて‥‥、驚きです。

私は外国人と会話しているという感覚がほとんどありませんでした。


私自身を振り返ると、中学校から大学まで、約10年間も英語を勉強してきたのに、

まったく英語が喋れないし、また、外国人が話す英語もほとんど理解できません。

私の資質の問題かもしれませんが、彼との違いは、いったいどこから生じるのでしょう‥‥?

「必要性」?「緊急性」?それとも「国民性」?

まぁ、冷静に考えてみると、母国語である日本語でさえ、覚束ないものがあります。

成人の日の雑感

今日は成人の日です。

そこで、日経新聞の紙面で、新成人へのメッセージが書かれている個所を探してみました。


まずは、この日恒例の、サントリーウィスキーの広告に掲載された、

伊集院静さんの『君の個性に乾杯。』というエッセイのなかのセンテンスです。

『これだけは覚えておいて欲しい。真の大人は自分だけのために生きない。お金がすべての決して思わない。

 品性を得ることは人生最大の宝物だ。いいものだぞ。品性は。』


次に、一面コラム「春秋」のなかのセンテンスです。

『きょうは成人の日。多くの自治体で、にぎやかに成人式が催されることだろう。

 好きな道を見つけ、歩き続けてほしい。

 「大人になる」とは自分以外の誰かを支え、見守る役割も担うということかもしれない。

 多くの先輩たちの熱意や思いがあって、いまがある。みなさんもその仲間入り。

 ご成人、おめでとうございます。』


伊集院さんも、「春秋」のコラムニストも、同じような趣旨の新成人へのメッセージだと受け止めました。

そして、「こころの健康学」では、認知行動療法研修開発センターの大野裕先生が、

『状況変わる頃合いを待つ』というタイトルで、次のようなことを書かれていました。


『今日は成人の日だ。若者たちが成人式に参加するために晴れやかな服装を身にまとって楽しそうに町を歩く。

 そうした新成人を目にすると、私はちょっと寂しく、そしてうらやましい気持ちになる。

 私自身、成人式を体験したことがないからだ。

 私は故郷を離れて大学入試に挑戦し続けていて、成人式を喜ぶ余裕などなかった。

 何度も大学入試に失敗したこともあり、この先どうなるか心配な気持ちでいっぱいで、

 成人式の華やかな雰囲気が目に入らないようにしていたのだろう。当時の街の様子は記憶に残っていない。』


はぃ、私も大学受験のため京都で浪人生活を送っていたため、大野先生と同じく成人式の体験がありません。

ですから、大野先生の当時のお気持ちは、私にも理解できます。

なお、大野先生は、同じエッセイのなかで、次のようにも述べられていました。

『世の中は動いている。自分があきらめないでいれば、状況は変わる。

 環境と自分はお互いに影響し合い、新しい局面が現れる。

 時間がかかるかもしれないが、タイミングを待つことが大切だ。

 晴れやかな気持ちで成人式を迎えた若者も、そのような気持ちになれない若者も、

 ぜひ自分を信じて前を向いて進んでほしいと思う。』


私の大好きな「待つこと、そして希望すること」という言葉と相通じるものがあります。

未来ある新成人の皆さんの、今後ますますの御活躍をお祈りします‥‥。

「手抜き読書術??」を学ぶ

 『理科系の読書術~インプットからアウトプットまでの28のヒント』

(鎌田浩毅著:中公新書)を読了しました。鎌田教授の本らしく、実に面白くて、役に立つ内容でした。


まず、なぜこの本のタイトルに「理科系」という言葉がついているのか、

鎌田教授はその趣旨を、次のように述べられていました。

『世のなかには読書術について述べた本がたくさん出版されている。

 そのなかにはよく書かれている本もあるが、かなり面倒でとても実行できない方法が多い。

 その本の著者自身は大変几帳面だから実行できるのだろうが、

 「私には到底無理だ。」と思わざるをえない本が多数ある。

 これに対して、本書で提示したのは、ズボラで常に楽をしたがる人に向けて私が編みだした、

 理系的な手抜き読書術なのである。楽をするというのは、科学技術の基本にある考え方である。

 もともと理系人は楽をしたがる人種なのだ。

 しかも理系人は「システムで世界を見る」という考え方を持っている。

 換言すれば、楽のできるシステムとは何かをいつも模索しているのだ。

 したがって本書でもさまざまな方法を紹介したが、読者が現在持っているシステムよりも簡単で、

 しかも効果のあるものだけを使っていただきたい。』


う~む‥‥、鎌田教授はこのようにおっしゃていますが、

本書に書かれている内容をよく理解して、実行に移すことは、決して楽ではないと思います。

そして、本書各章の章扉の裏には、各章のポイントが4つの「キーフレーズ」で提示されていました。

後で「簡単に」全容が思い出せるよう、私も次のとおり書き残しておきたいと思います。


第1章 本と苦労なく向き合う方法
 ①途中で読むのをやめてもいい、②15分だけ集中して読む、③「2:7:1の法則で読む」
 ④情報は三つだけ取ればいい

第2章 難解な本の読み方
 ①「小見出し」ごとに読む、②解説と「あとがき」から読んでもいい、③「棚上げ法」で読む
 ④「不完全法」で読む

第3章 多読、速読、遅読の技術
 ①「速読」に向く本、向かない本がある、②遅読のススメ、③読み方を変えて三回読む
 ④続かないのは意志が弱いからではない

第4章 アウトプット優先の読書術
 ①「知的消費」と「知的生産」を分ける、②解ける問題から取り組む、③「割り算法」で読む
 ④持ち時間を意識して情報を収集する

第5章 本の集め方、整理の仕方
 ①少額でも本を毎月買ってみよう、②入門書は三冊手に入れる、③本は表紙とタイトルで選んでよい
 ④本の整理は美しさより使い勝手で

第6章 読書メモの取り方
 ①本は「文房具」として使い倒す、②探しものの無駄な時間を省く
 ③「単純作業」と「考える時間」を分ける、④楽をして成果を上げる理系的方法

補章 読まずに済ませる読書術
 ①本は容易に再入手できる、②「愛蔵」は「死蔵」かもしれない、③読書で「想定外」に対処する
 ④「今、ここで」を生きる読書術


ふぅ~、ここまで書いて疲れました‥‥。

とにもかくにも、いつも手元に置いておきたい本が、また一冊増えました。(苦笑)

明治の大学日本一を見届ける

全国大学ラグビー選手権大会、「明治」対「天理」の試合をテレビで観戦しました。

結果は22対17で明治の勝利。最後の最後まで見応えと見せ場のあったナイスゲームでした。

明治は関東大学ラグビー対抗戦で、早稲田と慶応に敗れ4位だったものの、帝京に勝った実力あるチーム。

これで文句なしの大学日本一です。隠れ明治ファンの私も嬉しいです。本当におめでとうございます。


今年の明治は、攻守にバランスの取れたチームでした。特に、ディフェンスが素晴らしかったです。

一方の関西チャンピオン天理もスクラムが強力で、闘志あふれるプレーが強く印象に残りました。

今日の天理の敗因を挙げるとすれば、

ラインアウトでポールを獲得できなかったことではないかと、素人の私なりに分析した次第です。

そして、来年こそは、早稲田が大学日本一になることを期待して、今年一年を過ごそうと思います。


さて、話はガラリと変わりますが、今日、通信端末の機種変更に行ってきました。

私はガラケーと小型タブレットを愛用していますが、

このうちタブレッドは、画面が見やすくてシニア向きなのですが、持ち運びに不便で機動性に欠けるので、

思い切ってデータ通信専用のスホマに変えることにしました。

機械音痴の私は、しばらく各種の初期設定に悪戦苦闘しそうです。