しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

読書・文学

見えないものを見る力

今日も寒い一日となりました。室内でも気温が10℃を上回ることがありませんでした。 さて、今月1日の日経新聞「リーダーの本棚」で、室伏きみ子・お茶の水女子大学学長が、座右の書として、サン=テグジュペリの「星の王子さま」を挙げられ、次のように書…

楽ではない「隠居生活」

『なるべく働きたくない人のためのお金の話』(大原扁理著:百万年書房)を読了しました。 まるで私のことを指しているような本のタイトルだったので、思わず購入してしまいました。著者は、25歳から約6年間、東京郊外の小さなアパートで「隠居生活」をして…

11月が終わる日の雑感

今日で11月も終わり、明日から12月です。いつのまにか、今年もあと一か月となりました。40年間近く働いた者としての実感は、「一日は短く、次の土日までの一週間はあまりにも長く、一か月は中立的で、一年はあっという間に過ぎ去ってしまう」といった…

「国士無双」を連想する

『高坂正堯~戦後日本と現実主義』(服部龍二著:中公新書)を読了しました。 文句なしにとても素晴らしい本でした。読了後の本書は、付箋だらけになっていました。特に、終章の「最後のメッセージ~四つの遺作」は、読んでいて目頭が熱くなりました。 さて、…

新書の魅力

昨日20日の朝日新聞デジタル版「文化の扉」は、新書に関する話題で、記事の冒頭には、次のようなことが書かれていました。『数々のベストセラーや話題書を生み出してきた「新書」。 岩波新書の創刊から今年で80年を迎え、いまや様々な出版社が新書レーベ…

バブル発生と崩壊を学ぶ

長い期間をかけてようやく『検証バブル失政~エリートたちはなぜ誤ったのか』(軽部謙介著:岩波書店)を読み終えました。「バブルがなぜ発生したのか、その発生と崩壊をなぜ防げなかったのか」‥‥。長年、私が疑問に思っていたことについて、本書の「エピロー…

夢と希望がまた一つ

とてもワクワクドキドキする次のような記事が、今日の朝日新聞デジタル版に掲載されていました。 『作家の村上春樹さん(69)は4日、東京都内で記者会見し、 自筆の原稿や書簡、レコードなどの所蔵資料を母校の早稲田大学に寄贈すると発表した。 早大は将来…

「歴史に学ぶ」を学ぶ

『日本史の論点~邪馬台国から象徴天皇制まで』(中公新書編集部編:中公新書)を読了しました。 高校生の頃、「日本史」と「世界史」は好きな科目でした。本書は、その「歴史」の面白さと奥深さを再認識させてくれました。なかでも、大石学・東京学芸大学教授…

私は怠け者?

ふぅ~、ようやく今週の勤務が終わりました。現役の頃は、毎週、金曜日になるとワクワクしたのに、今は、疲労感だけが漂います。定年退職してから2年半‥‥、私にはフルタイム勤務が、そろそろ重荷になってきました。 さて、今日は4週間に一度の通院の日でし…

世界と人間の不条理を考える

台風25号の接近に伴う影響なのでしょうか、今日は真夏のような暑さとなりました。そして、台風から遠く離れている当地でも、お昼前からは、とても強い風が吹き荒れました。本当に今年は、自然の猛威に右往左往します‥‥。 さて、本棚の隅に眠っていた『異邦人…

日々進化する学問

『現代経済学~ゲーム理論・行動経済学・制度論』(瀧澤弘和著:中公新書)を読了しました。いや、正確に言うと、「読んだ」というよりも「眺めた」という感じでしょうか‥‥。私にはちょっとレベルが高くて難解な本でした。 その難解な本書のなかでも、一つだけ…

人生を変える名著との出合い

NHKEテレの「100分de名著」は、私のお気に入りのテレビ番組で、ビデオに録画して毎回欠かさずに見ることにしています。また、同時にテレビテキストも毎月必ず購入して読むように心掛けています。そのテレビ番組の司会者・島津有里子さんが、NHK…

後生畏るべし

今日の日経新聞「池上彰の大岡山通信 若者たちへ」では、池上さんが東工大生の皆さんと一緒に毎月開催されているという「読書会」のことが書かれていました。今回、その読書会で取り上げられていたのは、私の愛読書でもある『生きがいについて』(神谷美恵子…

「日本型組織の特質」を考える

久しぶりに月刊誌「文藝春秋」を購入しました。 真っ先に読んだのは、ノンフィクション作家・保阪正康さんの『昭和の軍人に見る「日本型悪人」の研究』でした。保阪さんは、「平然とウソをつく、白を黒と言いくるめる、失敗すると居直って部下に責任をなすり…

過去ー現在ー未来という時間軸

窓を開けると、今日は涼しげな虫の声が聞こえてきます。ただ、仕事から帰宅後の夕暮れ時に、ツクツクボーシが鳴いているのにはびっくりしました。 さて、昨日の日曜日、ビデオに録画しておいたNHKEテレ「100分de名著forティーンズ」を観ました。…

他人のなかに生きる

『死と生』(佐伯啓思著:新潮新書)を読了しました。本書の帯紙に『「死」とは何か。なぜ、怖いのか。死ねば、どこへゆくのか。』という人間にとっての究極の問い掛けが書かれていて、しかも、著者が保守の論客の佐伯啓思先生だったので、書店で迷うことなく…

もう一つの甲子園

「夏の甲子園」が休養日の今日は、ケーブルテレビで「俳句甲子園」を観戦しました。 決勝戦は、山口県立徳山高校が3対2で東京の開成高校に勝利し、開成高校の3連覇を阻止しました。私的には、開成高校の「清らかに 星積りゆく ケルンかな」が、じんわり心…

人口減少社会を考える

町立図書館で借りてきた『未来の年表~人口減少日本でこれから起きること』(河合雅司著:講談社現代新書)を読了しました。アマゾンの本書の内容紹介には次のように書かれていました。 『日本が人口減少社会にあることは「常識」。 だが、その実態を正確に知…

待つこと、そして希望すること。

NHKテレビテキストの100分de名著『河合隼雄スペシャル』を読了しました。 本書を読んで一番印象に残ったのは、ゲスト講師の河合俊雄さんが、河合隼雄さんの座右の銘の一つが、「モンテ・クリスト伯」(デュマ著)の「待て、しかして希望せよ!」であるこ…

座右の一冊

昨日は飲み会で、この日記はお休みしました。大学OBの集まりで、皆で「都の西北」を久しぶりに歌って帰りました。とても楽しかったです。 さて、『読売新聞朝刊一面コラム~竹内政明の「編集手帳」傑作選』(中公新書ラクレ)を読了しました。私は、竹内さん…

長編小説を読み直す

『邪宗門(上)・(下)』(高橋和巳著:河出文庫)を読了しました。(上)(下)合わせて1200ページを超える大作のなかで、印象に残った個所を、あえて一個所あげるとすれば、私なら、主人公・千葉潔の思想的背景が書かれていると思われる、次の記述を選びます。…

神々と英雄の本を読む

阿刀田高さんの「私の履歴書」を読んだことをきっかけに、久しく積読状態だった『ギリシア神話~神々と英雄に出会う』(西村賀子著:中公新書)を読了しました。当たり前とはいえ、カタカナの登場人物が多く、読み通すには忍耐を必要とする本でした。 本書で一…

「不条理」と向き合う

NHKテレビテキストの100分de名著『ペスト』(アルベール・カミュ)を読了しました。番組の講師は中条省平・学習院大学教授で、番組HPでは、カミュとペストについて次のような解説がありました。 『第二次大戦の只中、「異邦人」「シーシュポスの神話」…

「凄惨な現実」を知る

『日本軍兵士~アジア・太平洋戦争の現実』(吉田裕著:中公新書)を読了しました。 著者は、「次の三つの問題意識を重視しながら、凄惨な現実を歴史学の手法で描き出してみたい。」と述べられていました。 ・戦後歴史学を問い直すこと ・「兵士の目線」で「兵…

本という費用対効果のよい投資

今日16日の日経新聞「リーダーの本棚」は、NPO法人・フローレンス代表理事の駒崎弘樹さん。「人生の意味教えてくれる」というタイトルの記事のなかで、次のように述べられていました。『本は著者が苦しみや悲しみの果てに得たものを 惜しげもなく提供し…

底なし沼のような世界

今月9日の日経新聞「活字の海」は、『目利きが編む文学作品集 名作と出合うきっかけに』という見出しで、記事の冒頭には、次のように書かれていました。『過去の名作を読みたいけれど、どの作品から読み始めたらいいのか分からない。 本を選ぶための指針が…

新しい世界が開けたかも?

『落語家はなぜ噺を忘れないのか』(柳谷花緑著:角川SSC新書)を読了しました。「松岡正剛の千夜千冊」のHPで松岡さんが、『いろいろな本を継続して貪り読めるコツのひとつに、 ときどき自分が知らない極端な専門家たちの吐露や告白、 未知の領域の観察や報…

遠い日々をもう一度生きる

今月1日から日経新聞「文化」欄で、作家・阿刀田高さんの「私の履歴書」の連載が始まりました。第5回目の今日は、『若き日の読書 おもしろいものだけ選別 淫らな本に心ときめく』という見出しで、その書き出しは次のような文章でした。『若い日の読書につ…

「次元の転換」が起こるとき

昨日は夕食前に、久しぶりに西の海岸に夕陽を見に行ってきました。海岸は漂着したゴミが清掃されていて、沈む夕陽がさらに美しく感じました。清掃された方々に感謝、感謝です。ところで、いつも思うのですが、私が昇る朝日よりも、沈む夕陽に魅力を感じるの…

異例の政策の生成過程

『官僚たちのアベノミクス~異形の経済政策はいかに作られたか』(軽部謙介著:岩波新書)を読了しました。読了後に振り返るとやはり、本書の一番最後に書かれていた次の記述が一番印象に残っています。 『いつのころだろうか。 日本では「決められる政治が善…