「若者を見殺しにする国」を読み終えました。
読者に思索を要求する読み応えのある本でした。
ただ、読後も若干の違和感があるのは
私が安定労働者の究極の存在である地方公務員であるからなのか、
それとも、私には「思いやり」がないからなのか?
私には、著者は
団塊世代ジュニアの不遇を
社会や政治に責任転化しているような気がしてなりません。
(たぶん私の理解が足りないのだと思います‥。ゴメンナサイ。)
自分の世代や親の世代をみても
それぞれの世代や時代には、それぞれの困難があったのではないかと思います。
筆者の世代・時代だけの問題ではないのではないでしょうか?
むしろ今の日本で一番問題なのは、
国・地方が抱える多額の借金を
これから生まれてくる世代を含めた次世代に先送り(財政的な幼児虐待)したり、
少子高齢化の時代において、働く現役世代に過度の負担を求める賦課方式の年金制度など、
高齢者優遇の施策から生じる世代間格差にあるのではないかと思っています。
そういう意味で、
若者世代への所得の再配分施策が今の日本には足りないのでしょう‥‥。
では、どうしたらいいのでしょうか?
著者のように勇気を持って世論を喚起するか、
民主主義の日本においては
同じような考えを持つ仲間に呼びかけて多数を形成し、
選挙を通じて政治的に解決するか‥‥。
いずれの方法にしても、時間とお金がかかるのかもしれません。
- 作者: 赤木智弘
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/05/06
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