しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

活眼活学

私が安岡正篤先生のことを知ったのは昭和60年9月です。
以前に、この日記に書きましたが、
当時、私は胃を切除して入院していました。

入院中に職場の同僚の方が
お見舞いとして持参してくれたのが「活眼活学」(単行本)です。
初めて読む安岡教学は、
私にとって難解極まるものでした。

この本の中で特に印象に残っているのは
『人生心得』中の次の記述です。

『最後の十五、これは非常に深い問題であるが、
自分は何か信仰・信念・哲学を持っておるかどうか。
これは一番人間としての根本問題である。
その人から地位だの、名誉だの、身分だの、報酬だのというものを引いてしまう、
あるいは親子だの、妻子だのというものを引いてしまうと、何が残るか。
何も残らぬということではいけない。
一切を剥奪されても、奪うべからざる永遠なもの、
不滅なものが何かあるかという時、
答えられる人間にならなければならない。
それはつきつめたところ、
何らかの信仰・信念・哲学というものを持っておらねば能わぬことである。』

この本に出会ってから約26年。
何も成長していない自分にただただ愕然とするばかりですが、
おそらくこの本に出会わなければ
今頃はもっと傍若無人・傲慢不遜な自分がいたのではないかと思っています。
この世を去る時、この問いに答えられる人間に果たして自分はなっているのでしょうか?

活眼活学 (PHP文庫 ヤ 4-1)

活眼活学 (PHP文庫 ヤ 4-1)