先日、「クロノス」と「カイロス」のことを書きましたが、
その出典は「旅立ちの朝に」でした。
この本は、「死学」の権威であるアルフォンス・デーケン神父と
作家の曽野綾子さんの往復書簡という形で書かれています。
確か、平成4年か5年だったと思いますが、
仕事で出張した東京で、デーケン神父の講演を聴く機会に恵まれました。
日本語が大変お上手で、もちろん話の内容にも感動した私は、
愛媛に帰って、早速、文庫本の「旅立ちの朝に」を購入しました。
その本は、その後、家の引越しのどさくさに紛れて行方不明になりましたが、
私は読んだ本の内容を手帳に書き留める習慣がありまして、
その内容を先日この日記で紹介したところです。
「死学」といえば、作家の曽根綾子さんは、
月刊誌「Voice」において、私日記を連載されています。
10月号は「はやぶさの死」でした。
映画「はやぶさ」の試写会に行かれたときの感想を、
次のとおり書かれています。
『〜(中略)〜ここには、最近日本人が決して教えられなかった
人生の生き方が示されているからだ。
はやぶさそのものは、大気圏内に突入して燃え尽きて死に、
小さなカプセルだけがかろうじて生き延びて地球に到着した。
戦後の人々は他者のためには死ぬな、とだけ教えられて来た。
それが日教組的民主教育だった。
もちろん誰も、まともな人なら、人の死を望みはしない。
しかし、現世には、時には人の犠牲を前提に完成するものもある。
その事実に人々は深い感動を覚えるのだ。
しかし貧しい教育の世界は、はやぶさが出るまで、
そのことをまともに教えられなかったのである。』
機会があれば、この映画を観たいと思っています‥‥。
- 作者: 曽野綾子,アルフォンスデーケン,Alfons Deeken
- 出版社/メーカー: 青萠堂
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
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