世代間格差を考える

「世代間格差〜人口減少社会を問いなおす〜」
(加藤久和著、ちくま新書)を読了しました。
普段から疑問に思っていることに丁寧に答えてくれる素晴らしい本でした。
是非一読をお薦めします。

著者は、
『世代ごとの格差をそのままにしておけば、
将来世代が絶望し、今の若い世代も先代への支払いで
汲々としてしまうことも事実なのである。
だからこそ、われわれは世代間格差というものに
着目していかなければならないのである。』と述べたうえで、

世代間格差をもたらした要因として、以下の五つに整理しています。
①人口構造の変化
②若者に頼った財政システム(社会保障制度の賦課方式など)
③日本特有の雇用慣行
④近視眼的な政策対応(経済対策、公共事業など)
⑤経済成長の鈍化

そして最後に、
世代間格差を縮小する、
あるいは少なくともこれ以上拡大させないような
具体的な経済社会のシステムを提案しています。

地方公共団体としても
こうした視点を大切に政策を立案・実行する必要があることを
つくづく実感した次第です。

世代間格差: 人口減少社会を問いなおす (ちくま新書)