しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

危機に克つ

今日の日経新聞経済教室「危機に克つ」シリーズは、
青木浩介東京大学准教授の「財政、「信」の確保 瀬戸際に」でした。

頭の体操というか、理解に役立ったのは、次の記述です。
マクロ経済学に基づいて考えると、
 サブプライム危機から欧州ソブリン問題までの世界経済混乱の根底には、
 共通の一つの原因が存在する。
 世界経済には貯蓄を運用するための十分な資産が足りないということだ。
バブル崩壊後、日本や欧米諸国が大量に国債を発行したのは 理にかなっている。
 拡張的財政政策は、もっぱら政府支出や減税など
 フローの需要創出効果に焦点が当てられ、
 国債残高の積み上がりはその副産物として否定的に解釈されることが多い。
 しかし、バブル崩壊で消失した貯蓄の運用手段を
 国債発行により政府が補ったと考えれば、国債発行の意義は大きい。

 民間経済主体で十分な資産を創造できない経済では、
 国債は優良資産として非常に重要な役割を持っている。
バブル崩壊ソブリン問題は、
 安全と思われていた資産が突然その価値を失うという意味で共通するが、
 それはバブル資産も国債も人々の期待が流通を支えているからだ。
 実物収益が背景にある資産に比べ、
 人々の期待に支えられている資産は時に脆弱だ。
 人々の期待はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)と関係なく容易に変化しうる。
国債市場の機能が人々の期待に依存するという視点に立てば、
 第一の課題は財政に対する信認を保つことである。
 ただし、国債は将来の課税能力を前提に流通するので、
 信認を保つために直近の財政を均衡させる必要はない。

 欧州のように
信認が揺らいだ後に市場に追い込まれるような形で緊縮財政を始めると、
景気を冷やし、結果として税収が減少し
財政に対する信認も回復しないという悪循環に陥る。
重要なのは中長期的な財政スタンスの健全化と
課税能力の強化に関するコミットメント(公約)を示し、
それを民間投資家に理解させることだ。
日本の場合は、
社会保障改革や消費税引き上げに関する公約を明確に示すことが、
経済の中長期的安定のために欠かせないと考えられる。

長々と記載しましたが、この日記をメモ代わりに利用させていただきました。
ポイント欄にも書かれているように
 国債もバブル資産も人々の期待に依存する
 ・信認揺らいだ後に緊縮財政とると悪循環に
 ・危機時の政策対応の不備は信認を阻害する
この三点をしっかり頭の中にインプットしておきたいと思います。