参議院調査室が作成している「立法と調査」(最新号)に掲載されている
「日本経済の現状と課題〜内生的経済成長理論からの試論〜」を読みました。
レポート後半部分の「経済成長理論」の説明は私には難しかったのですが、
前半部分の「日本経済の現状」と「失われた20年の原因」については、
わかりやすく整理されており、何とか理解できました。
まず、日本経済の現状については
①高度成長期以降の日本経済は、
1990年前後を境に、様相が大きく異なっている。
②1998年以降、深刻なデフレ経済が続いている。
③GDPギャップが解消されないままとなっている。
④失業率の高止まりと正規雇用と非正規雇用の二極化が進んでいる。
次に、失われた20年の原因は何かについては、
大きく分けると次の2つに整理されるそうです。
①供給サイドに問題があるとする考え方
この考え方には、生産性の低迷説と行政改革・規制緩和不徹底説がある。
②需要サイドに立った考え方
この考え方には、需要飽和説、民間の資金需要減退説、
不良債権処理の遅れによるバランスシート不況説、金融政策失敗説がある。
失われた20年の原因については、
素人の私などは、いずれの説も「なるほど」と素直に納得してしまいます。
むしろ、この説が正解というのではなく、原因は複合的なものではないのでしょうか?
レポートの最後の部分は、次のように締めくくっています。
『国民生活の分野には、住宅、医療、介護、保育など、
「満たされない需要」が数多く残されている。
国が行うべきは、
「未来への投資」にわる潜在的な「内需」の絶え間ない顕在化であり、
こうした需要を「消費」によって満たすための政策の立案である。
そのためには、
社会保障や教育などの「制度のイノベーション」にも取り組まなければならない。』
おっしゃることはごもっともです。
ただ、「解決するアイデア」がなかなか見つからないのが日本の現状のような気がします。