しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

予言の自己成就

ある事柄が起こると思っていると、その意識が行動や判断に影響し、
予言が現実となることを「予言の自己成就」というそうです。
2月15日(水)の日経新聞を読んでいると、こんな記事に目が留まりました。
以下、記事の続きです。

経済産業研究所の山口一男客員研究員は
 「日本企業は女性活用について予言の自己成就に陥っている」と解説する。
 「女性は仕事ができない」「いずれ辞める」と育成の手間暇を惜しみ、
 チャンスも与えない。すると意欲が失われ、男性ほど成果が上げられなくなる。
 結果、「女性はダメだ」とより強く思い、悪循環が続く。
 負の連鎖を断ち切るのは簡単だ。
 「使える」と信じて育成し、機会を与えれば逆に正の連鎖が起こる。
 管理職の意識改革が重要だ。』

また、記事では、一橋大学川口大司准教授の
『「女性の生産性は男性の45%」という数字を見て、
 「男の方が使える」と考えるのは早計だ。』という指摘も紹介しています。

男性は女性より総じて労働時間が長いうえ、
営業など稼げる部門で働く比率も高く、成果を上げやすい仕事で働いているため、
同じデータを元に計算すると女性の賃金は男性の約30%で、
働きが給料に見合っていないのはむしろ男性の方だそうです。

さらに、川口准教授は、
『企業が女性活用に二の足を踏むのは、
 結婚や出産などの退職のリスクが女性は高く、
 育てても利益に貢献する前に辞められては損失が残るからだ。』と指摘されています。

少子高齢化で生産年齢人口が先細りする中、
今後は、女性と高齢者を活用し、一人当たりの生産性を高めていく必要があることは、
私も十分認識しているつもりです。

『女性の退職リスクを下げるには保育所を増やし、
 男性も家庭責任を負うように価値観の変化が求められる。
 企業の努力だけで退職リスクは下がらない。国や社会の取り組みも欠かせない。』

自分の娘が懸命にゼロ歳児の育児をしながら、
職場復帰を目指している姿を目の当たりにしているだけに、
この指摘は「ズシリ」と心に突き刺さります。