しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

新しい成長基盤の整備

日経新聞「経済教室」の連載、
「復興から再生へ〜脱・成長論を疑う〜」の第二回目は、
杉本和行みずほ総合研究所理事長の『東北発「新・発展モデル描け」』でした。

杉本理事長は、
日本の経済社会が90年代に経験した大きな変化の要因として、
 ①バブル経済の崩壊
 ②生産年齢人口のピークアウト
 ③キャッチアップ時代の終焉
 ④経済のグローバル化の進展とアジアなど新興国の勃興
 ⑤財政構造の悪化
の5項目を挙げられたうえで、
日本経済は大きな構造変化に直面したが、バブル崩壊の後遺症への対応に目を奪われ、
構造変化に対応するための経済社会の転換が進まなかったのが
「失われた20年」の実情であると指摘されています。

そして、今後、経済社会を充実させていくには、
経済構造を時代に合ったものに変革し、
目指すべき新たな発展・成長を実現することが前提となり、
経済成長のない社会は活力を失い、社会的摩擦が高まって消耗するおそれが大きいこと、
国民が安心して働き能力を発揮できる活力ある社会を実現していくためにも
雇用機会を確保することが必要だと主張されています。

そして、新しい成長基盤を整えるためには、
 ①グローバル競争を勝ち抜く環境を整備すること
 ②国内的にも雇用機会を創出していく必要があり、
  国内の新しいニーズに対応して、
  財・サービスを供給する体制を整備することが不可欠であること
の2つの視点が欠かせないとされています。

また、こうした分野の第一候補は、
少子高齢化社会に対応した介護、医療、健康、子育て、教育などの分野
第二の候補は農業・水産業をベースとし加工、製造も垂直統合した
いわゆる6次産業型の食関連産業であると提言されています。

杉本理事長が言われているように、
日本型の成長モデルを他地域に先駆けて被災地に構築することができれば、
「失われた20年からの脱却」から「真の復興」へとつながるのかもしれません。
被災地の復興とは失われたインフラの復旧だけでなく、
 雇用機会の確保により生活基盤が再構築されることだ』は、
オール・ジャパンの課題でもあると思います。