しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

新人へのしわ寄せ

今日のmsn産経ニュースの「主張」は、
「公務員採用抑制 新人へのしわ寄せ筋違い」でした。
現政権が閣議決定した国家公務員の新規採用を大幅抑制する方針は、
小手先の対応だと言わざるを得ないとして、次のとおり批判しています。

『抑制方針によると、
 平成25年度の国家公務員の採用数を自公政権時の21年度に比べ56%削減する。
 消費税増税に向け、国民の理解を得るための「身を切る改革」の一環だ。
 国家公務員の総人件費2割削減は、民主党政権政権公約でもある。
 厳しい国の財政下で、行政組織の肥大化は許されない。
 だが、問題は、削減の対象をもっぱら新規採用者に向けるという安易な手法を取ったことだ。
 給与の低い新入職員を絞ったところで人件費の抑制効果は限定的だ。
  〜(中略)〜
 新規採用の大幅抑制は、組織の年齢構成を歪(いびつ)にするだけでなく、
 公務員を目指して頑張ってきた若者の希望を奪い、優秀な人材の確保を困難にしかねない。
 社会の激変期を迎え、省庁に求められる業務も変わる。
 行政を機能させるのに必要な職員数は長期的視野で検討すべきだ。
 公務員制度改革を手の付けやすいところから安易に行うのでは、
 国家としての機能も果たせない。』

この主張の中で、やはり心が痛むのは、
「公務員を目指して頑張ってきた若者の希望を奪う」という部分です。
私が所属している地方自治体においても、新規採用は抑制傾向にあります。
数年前は、確か、新規採用職員がたったの9人という年もありました。
その一方で、定年退職者を再任用として受け容れる人数は増加傾向にあります。

国家公務員であれ、地方公務員であれ、
公務員に向けられる批判の多くは、
「その待遇が民間に比較して恵まれ過ぎている」という思想が根底にあると思います。

ただ、地方公務員の一人として私が残念に思うのは、
以前、日経新聞の「大機小機」に書かれていたように、
「多くの人が疑問を持たないから」、「世論が支持しているから」として
公務員給与削減やその他の公務員に係る問題点を、
根本的な議論をしないまま安易に見直すという思想にあります。
今回の新規採用の大幅抑制も同じ思想ではないのでしょうか?

それならば「お前はどうだ」といわれそうですが、
高齢者職員の給与泥棒と若い方から批判されないよう、
これからも微力ながら日々の業務に精励していくしかありません。

「上天は欺き難し」を肝に銘じて…‥。