今日(6日)の日経新聞「核心」は、
芹川洋一論説委員長の「小沢一郎という人生〜不信と服従の心理学」でした。
私には、小沢一郎という稀有の政治家について、
批評する立場にはないので、そのことについてのコメントは特にないのですが、
記事のなかで、次の「生い立ちの曲線」という記述に目が留まりました。
『政治社会学の栗原彬・立教大名誉教授の分析手法を借りながら、
2本の補助線を引いてみる。
(1)個人のパーソナリティーがどのように形成されていったかが、
政治家になってからの行動を左右する
(2)個人的な生活史の中から政治スタイルができあがっていくという生い立ちの曲線だ。
栗原氏によると、パーソナリティーの形成で、まず影響を及ぼすのは母親である。
濃密な母子関係が、そとの世界との信頼感につながる。
母性の欠落は他者への不信感となりやすい。
次に出てくるのが父親との関係だ。
父との接触を通じ、自らを律する能力を学ぶ。
父親不在は、わがままで自分の感情を抑える能力に欠け、
同時に、父親にいい子であろうとする服従の様式をうえつけやすい、という。』
「濃密な母子関係が、そとの世界との信頼感につながり、
父との接触を通じ、自らを律する能力を学ぶ。」という記述には、
なるほどそんなものなのかと思いました。
では、私自身の「生い立ちの曲線」はどうでしょうか?
前段の母子関係については、まさにそのとおりだと感じていますが、
後段の父子関係については少々疑問が残ります。
父との接触を通じて自律する能力を身につけた覚えは、正直言って、ないような気がします。
たぶん、私と私の娘の関係も同じではないかと思います。
そういえば、この記事を読んでいて、
ドロシー・ロー・ノルトの「子は親の鏡」という詩を思い出しました。
「親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ」などなど…とても素晴らしい詩です。
母子関係、父子関係に限らず、「子は親の鏡」であることは、けだし真実だと思います。