今月3日のmsn産経ニュースの「正論」は、
雪斎先生こと櫻田淳 東洋学園大学教授の『「劣化の連鎖」の果てに小沢新党』でした。
雪斎先生の次の文章を読んで、自分の「思慮の浅さ」を自覚した次第です。
『〜(中略)〜このように考えれば、
日本の人々が現下の政治の「貧困」から抜け出す方途は
根拠のない「新党」への幻想を払拭することにあるのであろう。
政界再編を期待する「ガラガラポン」なる言葉は結局は、
一つの政党の枠組みを壊す容易さとその枠組みを再び築く難儀さを心得ていない意味では、
誠に無責任にして幼稚な願望を反映したものでしかないのであろう。
一般国民は、現状に対する不満を吐露するだけのために「新党」に根拠のない期待を寄せ、
政治家は「新党」運動に身を投ずることによって何らかの仕事をしたかのように錯覚する。
こうしたことが続く限りは、日本政治の「劣化」のスパイラルは止まらない。』
実は私も、今の政治状況を見るにつけ、
「政界再編をしたほうがよいのでは…」と思っていた一人なのですが、
どうやらそれは、雪斎先生に言わせれば、「誠に無責任で幼稚な願望」にすぎないみたいです。
『もそも、近代的な意味での政党は、
単なる「議員の集まり」ではなく、然るべき綱領を持ち、
相応の資金、人材、組織に裏付けられた結社に他ならない。』と、雪斎先生は述べられ、
『英国政治に関して参照すべきは、
「党首討論」制度や「マニフェスト(政権公約)」選挙手法といった
二大政党制に絡む表層よりは、
こうした「時間の蓄積」に裏付けられた政党のありようであろう。』と指摘されています。
なるほど、日本の政党も「時間の蓄積」に裏付けられることが必要なのですね。
さて、政界に目を転じてみると、今朝の新聞には、
「自民党は、今日にも衆院に内閣不信任決議案、参院に首相問責決議案を提出する構え」
という記事がありました。
一体、「3党合意」はどこに行ってしまうのでしょうか…?
果たして自民党の姿勢は、国民の支持を得ることができるのでしょうか…?
この日記を書いている時点では、自民党は自重されているようですが、
このままだと「無責任で幼稚な願望」が復活してしまうかもしれません。