しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

貝と羊の国

暴徒化する反日デモ、日本領海内に侵入する中国船など、
過激で異常とも思える中国と中国人の行動を見て、
その「体質」とはどのようなものかについて考えていたところ、
数年前に、「貝と羊の中国人」(加藤徹著:新潮新書)を読んだことを思い出しました。

ネット上で公開されている書評では、次のように紹介されています。
『著者は、多民族国家の中国および中国人のルーツを解くカギは、
 三千年まえの殷周革命にあるとして、
 現在の中国人のなかには殷人の「貝」文化と周人の「羊」文化が混在していると定義する。 
 貝の文化とは「ホンネ=現実主義」であり、羊の文化とは「タテマエ=観念主義」のこと。
 貝のつく漢字といえば財、貨、賭、買などがある。
 こちらはすぐに思いつくが、そもそもヒツジという動物が日本人に馴染みの薄いせいか
 ヒツジから義、美、善、養が出てくるだけで目からウロコ。
 今日の中国人はこのふたつの気質を状況に応じて巧みに使い分けているとして、
 中国の人口問題、階級社会、地政学上の構造、領土問題などのテーマを論じている。』

そうだったっけ…?領土問題のことも書いてあったっけ…?
この書評で、本の内容をおぼろげながら思い出したのを契機に、
机にうず高く積まれていた本の中から、
ようやくのこと該当の本を見つけ出し、再度、確認のため読み起こそうとしています。

ハィ、確かに書いてありました。
「現代中国人の領土意識」では、次のように書かれています。
『中国の歴代王朝のなかで、清朝は、最大の領土を支配した。
 その広大な勢力範囲は、直轄地、藩部、冊封国に三分された。
 直轄地は、今日の中国の「省」にあたる部分で、漢民族が集住する地域である。
 藩部は、今日の「自治区」にあたる部分で、少数民族が住む人口希薄な地域である。
 冊封国は、朝鮮、琉球(現・沖縄)、ベトナム(現在のラオスを含む)、
 タイ、ビルマ(現ミャンマー)である。
 現代中国人の感覚では、冊封国も、中国の「縄張り」である。』

う〜ん、弱りましたね…。
このような感覚を持った人々を相手にするのは、一筋縄ではいかないですよね。
一方、現代日本人の領土意識は、
「大正期や昭和初期を飛ばして、(日清戦争以前の)明治が基準になっている」と、
著者は指摘しています。
なんだか、両国の間には、接点は見出し難い気がしてきました。
大局的な観点から、再び「棚上げ」するしか解決策はないのでしょうか?

貝と羊の中国人 (新潮新書)

貝と羊の中国人 (新潮新書)