大学生の頃、東京六大学野球を観戦するため、よく神宮球場に通いました。
母校が勝利した時に、学生と観客が一体となって歌う校歌は、格別のものがありました。
いろいろな意味で、東京六大学野球と神宮球場は、わが「心の故郷」です。
その東京六大学野球の応援紙に、「YELL」という無料紙があることを、
今日の日経新聞の文化欄を読んで初めて知りました。
無料紙の制作者は、岡田淳子さんという方で、
記事の冒頭では、次のように述べられています。
『東京六大学野球の熱戦を伝えるミニコミ紙「YELL(エール)」を20年つくってきた。
原稿執筆、写真撮影、紙面組みを私1人でほぼ行う。
コピー機で印刷し、試合当日に明治神宮野球場外で配布。
試合観戦や校正などで姉の力を借りながら、活動を続けてきた。』
岡田さんは法政大学卒、
早稲田大学卒のお姉さんの影響で東京六大学野球のファンになり、
1987年から神宮に行き始めたそうです。
10年一昔ではありませんが、
私から見ると、岡田さんはほぼ10年後の世代ということになります。
岡田さんが凄いのは、
パートタイムや派遣労働の仕事で生計を立てながら、
YELLの制作を続けられてきたという事実です。
このことは、余程の努力と使命感がなければ続けられるものではありません。
記事の最後で岡田さんは、次のような決意を述べられています。
『仕事をしながらのYELL製作が年々、厳しくなってきた。
派遣で得られる収入は20年前と比べて半減。
生活が立ちゆかなくなる不安が現実味を増している。
それでも求めてくれる人がいる限り、東京六大学野球を伝え続けようと思う。』
いきものがかりの「YELL」の歌詞には、
『僕らが分かち合う言葉がある
こころからこころへ言葉をつなぐYELL
ともに過ごした日々を胸に抱いて』という部分があります。
岡田さんと私が分かち合える言葉は、「東京六大学野球」と「神宮球場」。
岡田さんの献身的な活動に心から敬意を表しますとともに、
遠い愛媛の地から、YELLを送りたいと思います。