カリスマ経営者といわれている春山満さんという方を初めて知りました。
昨日のNHK「ニュースウォッチ9」で、
井上あさひニュースキャスターが、
ご本人にインタービューしている場面を、たまたま観ることができました。
まるで私自身が叱咤激励されているようで、姿勢を正して聞き入りました。
春山さんは、24歳の時に進行性筋ジストロフィーを発症し、
現在は、首から下の運動機能が失われているそうですが、
番組では、とてもそのようにはお見かけできないほど溌剌としたお姿でした。
番組の中で印象に残った言葉が二つあります。
一つ目は、「一燈照隅」という言葉です。
この言葉からは、すぐ安岡正篤先生の「萬燈行」を思い出しました。
『暗黒を嘆くより、一燈を点けましょう。
我々はまず我々の周囲の暗を照らす一燈になりましょう。
手のとどく限り、至る所に燈明を供えましょう。
一人一燈なれば萬人萬燈です。日本はたちまち明るくなりましょう。』
二つ目は、「なくしたものは数えるな」という言葉です。
この言葉は、愛媛県出身の作家・敷村良子さんの小説
「がんばっていきまっしょい」の「あとがき」に書かれている
次の言葉と共通するものがあります。
『なくしたものより、あるものを数えよう。
できないことをなげかないで、できることを楽しもう』
どちらも重みのある言葉ですよね。
特に、「なくしたものは数えるな」は、春山さんが発すると迫力があります。
長い人生の中では、大切な「人」や「モノ」を
徐々に(時には一気に)失っていきますが、
いつまでもそれに固執していたのでは、前へ進むことができないのかもしれません。
自らに残された心と身体を、
たとえそれがわずかなものであっても最大限活用して
前向きに生きていくことの大切さを教えてもらった気がします。