就寝前の30分間にコツコツと読んでいた、
「岐路に立つ中国」(津上俊哉著:日本経済新聞出版社)を、
やっとのことで読み終えました。
「都市と農村の二元社会問題」、「歴史トラウマと漢奸タブー」、
「未富先老問題」など、7つの壁に直面している中国と、
「その中国と日本はどのように付き合っていくべきか」、
「日・中・米の三角形のあり方はどうあるべきか」等を論じた迫力ある本です。
なかでも、
超大国中国が何処へいくのかをシュミレーションした部分は、
とても読み応えがあります。
さらに、シュミレーションのうちの悲観シナリオは、
今の日本の置かれた状況を踏まえると、本当に起こりそうなシナリオで、
読んでいて背筋が寒くなりました。
この本には、いろいろと書き残しておきたい記述があるのですが、
今回は次の部分を、この日記に残しておこうと思います。
『いまの中国が「岐路に立つ」とすれば、
日本は「崖っぷちに立たされた」国だ。
1980年代、戦前に育った日本人たちが
苦労して多くの遺産を遺してくれたのに、
戦後育ちの我々3代目はそれを使い果たすどころか、
後代に莫大な借財まで押しつけようとしている。』
著者が本の一番最後で述べているように、
『これからの国の内政・外交の行方について、
ぴーんと張った緊張感を持つ』ことができる、得難い本だと思います。
- 作者: 津上俊哉
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/02/26
- メディア: 単行本
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