池上彰さんの「〈わかりやすさ〉の勉強法」に続いて、
「学び続ける力」(講談社現代新書)を読みました。
『世界が明日終わりになると知っていても私は今日リンゴの木を植える』
宗教家マルティン・ルターの有名な言葉を、
池上さんは、本の「はじめに」の部分で引用されています。
池上さんのお父さんは、米寿を過ぎて寝たきりの生活になっても、
枕元に岩波書店の「広辞苑」を置いて、少しずつ読み進まれていたとか……。
その旺盛な知識欲に圧倒された池上さんは、
「明日死ぬことがわかっていても、やっぱり勉強を続けたい。」
こんな心構えを、お父さんに教えられたと述べられています。
「はじめに」に書かれているこのエピソードは、
本の、最初の5ページまでに出てきますが、
この箇所を読めば、もう後は読まなくてもいいくらいの
読者に対する強烈な「メッセージ」です。
そして、第5章「学ぶことは生きること」では、
「大学で教養を学び、社会に出ることに、人間としてどんな意味があるのか?」
という学生からの「究極の質問」に、池上さんは次のように答えられています。
『自分の存在が社会の中でどんな意味をもつのか、
客観視できる力を身につけることができる。』
そういえば、大学在学中の甥っ子が、高校生1年制の時に、
「伯父ちゃん、人間はどうして勉強しなければならないの?勉強は楽しい?」と
尋ねられ、答に窮したことがありましたが、
その時に、池上さんのような回答ができればよかったのに…と思います。
「すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなる」
と同時に、「すぐには役に立たないこと」を学んでおけば、「ずっと役に立つ」
よりよく生きるための「現代的教養とは何か」を教えてくれる
、とても「役に立つ」本だと思います。
私も、これからも学び続けていきたいと思います。
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/01/18
- メディア: 新書
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