しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「根」という存在

こどもの日の今日、
電車とバスを乗り継いで、「坂村真民記念館」に行ってきました。
現在、同記念館の開館一周年記念・特別企画展として、
相田みつを坂村真民の世界」が開催されています。

連休中のためか、国道33号線は大渋滞で、
特に往路は、松山市駅から記念館まで、バスで約1時間も要しましたが、
それでも行った甲斐がありました。
だって、大好きなお二人の作品を、同時に「生」で観賞することができたのですから。

今日初めて観賞した坂村真民さんの詩に、「ひとりひそかに」がありました。
『深海の真珠のように ひとりひそかに じぶんを作っていこう』
この作品は、坂村真民さんが57歳の頃に創った詩だそうです。
ちょうど今の私の歳に創られたようですが、
そのせいか不思議に訴えかけるものがあり、しばらくこの作品の前で佇んでいました。

次に印象に残ったのが、「ねがい」という詩。これも素晴らしい作品でした。
『見えない根たちのねがいがこもって あのような美しい花となるのだ』

「根」といえば、
相田みつをさんの詩にも、「いのちの根」という私の大好きな作品があります。
また、この「いのちの根」という言葉は、「道」という詩のなかにも登場します。

相田みつを美術館館長の相田一人さんが、
今回の企画展に際して、次のようなことを書かれていました。
『二人とも詩の根底に、仏教的な思考がある点では近しい関係にあります。
 それに「根」というものに特別な思いがあることも似ています。』

なるほど…そうだったのですね。
お二人とも、普段は「見えない根」に、思いを寄せられていたのですね。

人間も見えないところで、ひたむきに努力することが大切。
それが分かっていても、なかなか実践できない、ここにいる自分。
今日は、そのことに改めて気づいただけでも有意義な日となりました。

なお、この特別企画展は、5月12日(日)まで開催されています。
是非、観賞をお薦めしたい企画展です。