しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

日々の道具の使い方

先日この日記でも書いた、
文化庁の『「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告)』に、ざっと目を通してみました。

文章を書いていて、どの「漢字」を使用していいのか悩むことが度々あります。
例えば、私がいつも悩むのが次の三つなのですが、
これからは、この報告書を参考にして、正しく使用したいと思っています。

①あがる・あげる
【上がる・上げる】位置・程度などが高い方に動く。与える。声や音を出す。終わる。
→ 二階に上がる。地位が上がる。成果が上がる。腕前を上げる。歓声が上がる。など
【揚がる・揚げる】空中に浮かぶ。場所を移す。油で調理する。
→ 国旗が揚がる。船荷を揚げる。天ぷらを揚げる。など
【挙がる・挙げる】はっきりと示す。結果を残す。執り行う。こぞってする。捕らえる。
 → 例を挙げる。手が挙がる。式を挙げる。全力を挙げる。犯人を挙げる。など

②あらわす・あらわれる
【表す・表れる】思いが外に出る。表現する。表に出る。
 → 喜びを顔に表す。甘えが態度に表れる。言葉に表す。不景気の影響が表れる。
【現す・現れる】隠れていたものが見えるようになる。
 → 姿を現す。本性を現す。馬脚を現す。太陽が現れる。救世主が現れる。
【著す】本などを書いて世に出す。
 → 書物を著す。

③かえる・かわる
【変える・変わる】前と異なる状態になる。
 → 形を変える。観点を変える。位置が変わる。顔色を変える。気が変わる。など
【換える・換わる】物と物を交換する。
 → 物を金に換える。名義を書き換える。電車を乗り換える。現金に換わる。
【替える・替わる】新しく別のものにする。
 → 頭を切り替える。クラス替えをする。振り替え休日。入れ替わる。替え歌。など
【代える・代わる】ある役割を別のものにさせる。
 → 書面をもって挨拶に代える。父に代わって言う。投手を代える。親代わり。など

さて、今月23日の朝日新聞天声人語」では、
早速、この報告書のことが取り上げられていました。
文章の達人であるコラムニストでさえ、
『日本語の豊かさと難しさを改めて知る。』と述べられてれおり、なんだかホットします。

また、コラムでは、
『言葉は歴史と文化の結実であり、日々の道具でもある。』と書かれています。
「日々の道具」の使い方に悩むのは、ひょっとして私だけなのでしょうか?

(ところで、「とりあげる」は、「取り上げる」でよかったのかな?
「採り上げる」が正解なのかも? う〜ん、やはり日本語は難しい……。)