しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

スキルよりスタンス

今月3日の日経新聞「大学」欄に、
『面接、自分らしく 大手採用担当に聞く「ポイントは?」』
という記事が掲載されていました。

記事は、「企業は面接で学生のどこを見て、何を知ろうとしているのか」を、
金融機関や自動車メーカーなど人気業種の採用担当者に聞いているもので、
新卒採用の面接だけでなく、
あらゆる面接に当てはまる原則が示されているのではないかと思います。

以下、ポイントとなる記述を列挙したいと思います。

 ・面接で「頭の良さ」「コミュニケーション力」「やる気」の3つを重視している。

 ・「3回のなぜ」で、想定外の質問にもきちんと答えを組み立てられるかを通じて
  頭の良さを問う。

 ・コミュニケーション力はノリが良くて会話が弾むということではない。
  課題を解決するためにどう取り組んだのかとの経験を話せることが大事。

 ・総合職は転勤や異動があり、業務の内容が変わることが多い。
  そうした場合でもきちんと仕事をこなせる人材を求めている。

 ・サークル活動の話になったとき
  「そもそもなぜそのサークルを選んだのか」との質問を投げかける。
  どんな判断をして決めたのかを説明してもらうことで、
  どのような要素に共感し、興味を持つ人物であるかを見る。

 ・サークル活動の経験を語ってもらう場合は「その経験から何を身に付け、
  どう感じたのか」を重点的に聞く。
  同じような経験でも人によって受け止め方が異なるため、
  人柄や価値観を見る指標になる。
 
 ・マニュアルに従って特別な経験談を持ち出すと、
  かえって自分の言葉で話していないとみられて良い印象を持たれない。
  自分の経験を自分の言葉で語っているかどうかが大切。

 ・面接では「価値観を共有できるかどうか」を探る。
 
 ・限界までどう努力し、どう問題を捉えて、どう解決しようとしたかを重点的に問う。
  学歴や学生時代の専攻、出身地などは関係ない。

記事を読んで、企業の採用試験で面接に臨んだ時のことを思い出しました。
いくつかの会社の面接を受けましたが、
大学時代にはサークルに属さず、これといった取り柄がなかった私は、
当然のことながら、自分自身を積極的にアピールできるはずもなく、
内定をいただくのに大変苦労しました。

そんな苦い思い出しか持っていない私ですが、
今度は逆に立場が変わって、臨時的に雇用する職員の採用面接をする機会がありました。

その際に参考にしたのが、ある雑誌で読んだ次の言葉です。

『人材において最も大切なのは
 資質でもスキルでもなく、まずスタンスである。
 すなわち、仕事に向かう姿勢、態度なのだ。
 どんな会社からも高い評価を獲得する人材は、
 明らかに共通する三つのスタンスをそなえている。
 それは、自立心、責任感、向上心の三つである。』

「スキル」よりも「スタンス」というのは、
先ほどの「学歴や学生時代の専攻、出身地などは関係ない。」
という考え方と合致しているようにも思われます。

さらに、この「三つのスタンス」は、新卒の学生さんに限らず、
社会人全般に共通する、「人物」としての大切な心構えではないかと思います。
私自身も、この三つの「スタンス」を忘れずに、
これからも古今の優れた人物、優れた書物から、「人物学」を学んでいきたいと思っています。