しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

適正な待遇とは?

突風を伴った横殴りの雨が突然襲いいかかる、そんな荒れ模様の一日でした。
おまけに、冬に逆戻りしたような寒さがこれに加わりました。

さて、今日の日経新聞には、
電子版で先週読まれた記事のランキングが掲載されていました。

ランキングの第3位に、
「公務員の給与削減がもたらしたもの」という記事が入っていたので、
「どんな記事だったのかな…?」と、さっそく電子版でキーワードを入力して検索…。
すると、たちどころにお目当ての記事がヒットしました。
電子版には紙ベースにはない便利な機能があるので、とても役に立ちます。

記事の正確な題名は、「限界超える地方公務員の給与削減がもたらしたもの」で、
コラムの執筆者は、鈴木直道・夕張市長でした。
コラムの中では、鈴木市長の次の言葉が、
公務員給与削減の問題点の本質を突いていると思いました。

これは、財政再生団体である夕張市に限ったことではありません。
少々長くなりますが、とても大事なことを述べられているので、引用させていただきます。

『根本的に多くの自治体の財政状況には、
 ハンドルの「あそび」となる余地はあまりないのです。
 市民から「このサービスをこう改善してほしい」と要望があったとします。
 実施するには当然追加費用がかかるのですが、余剰資金はない。
 新しい資金を生みだすか、どこかを削って作る以外ないのですが、
 調整弁として使えるものは「職員の給与削減」くらいしかなくなっているのです。
 また、「公務員の給与を削減する」と選挙でうたえば、
 公務員バッシングのなか有利に働くこともあり
 地方公務員の給与削減を加速している現状もあります。
 「課題に応え、行政サービスを改善してほしい」という市民の願いに対する答えとして
 「公務員の給与を削減し資金を作る」というのは、
 その場はしのげても根本的な解決にはなりません。
 それどころか、ゆきすぎた給与削減は人材の流出をまねき、
 行政サービスの低下につながります。その最も厳しい例が夕張かもしれません。』

過酷な条件の中で、日夜、職務に精励されている職員の方には、頭が下がる思いです。
私は、まだまだ恵まれていて、とても贅沢は言えないような気がしてきました。(反省)

そして、鈴木市長のコラムの最後は、次のような文章で締めくくられていました。

『今いる職員が安心して働き続けられる、という意味でも、
 新たな優秀な人材に地域再生に携わってもらう、という意味でも、
 夕張の経験を踏まえ、適正な待遇提供は必要だと強く思います。』

経営環境が悪化したとき、
人件費等の固定経費を真っ先に削減するのは、民間企業も同じだと思いますが、
できれば、労働者を「コスト」ではなく、「パフォーマンス」で評価してほしいものです。