しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

コラムに学ぶ

予想どおりというべきか、
今日(10日)の全国新聞の一面コラムは、
昨日の小保方さんの記者会見に関する記事でした。

その中でも、朝日新聞天声人語」と読売新聞「編集手帳」は、
それぞれ東西の寓話や物語を引用していて、とても勉強になりました。

朝日新聞は、イソップ寓話を取り上げていました。

イソップの寓話(ぐうわ)は古くて新しい。古代ギリシャに五種競技の選手がいた。
 海外遠征に出かけて戻ってくると、自慢話を大いに吹いた。
 「ロドス島で、私はオリンピア競技祭の勝利者も及ばぬ跳躍をやった。
  あの島の誰でも証人になってくれる」
 すると話を聞いていた男が言った。
 「それが本当なら証人なんか必要ない。ここがロドスだ。ここで跳んでみたまえ」。
 わりと知られた短文は「論より証拠」の寓意がある。
 お察しのとおり、きのう、小保方晴子氏の会見を聞いて胸に浮かんだ。』

次に、読売新聞は、軍記物語『承久記』を取り上げていました。

『鎌倉時代の軍記物語『承久記』に「官打(かんうち)」という言葉が出てくる。
 官位が高くなり、不幸な目に遭うことをいう。
 異例の速度で右大臣に昇進し、非業の最期を遂げた源実朝に触れたくだりである。
 これも官打の不幸だろう。
 不備だらけの論文を見る限り、研究チームを率いる資格はなかったようである。』

どちらのコラムも記者会見には批判的な書きぶりですが、
それはともかくとして、それぞれの寓話や物語を、私は初めて知りました。
特に、「官打(かんうち)」という言葉は、
新明解国語辞典」で調べても載っていませんでした。

実社会でこの言葉を使用することは、今後もおそらくないとは思いますが、
また一つ、知っていることが増えて、なんだか嬉しい気持ちになります。

そして、もう一方のイソップの寓話は、
昔買った岩波文庫の「イソップ寓話集」が、書棚に眠っていることを思い出しました。
どういう動機でその時に買ったのかは、今となっては思い出せませんが、
これを契機に読み直してみようかなと思います。