しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「母」という職業

今日は「母の日」です。

平成8年に母が亡くなってから、今年で早や18年…。
感謝の言葉を伝えるべき「その人がいない」と思っていたところ、
今日の朝日新聞天声人語」には、次のようなことが書かれていました。

『思うに母の愛というのは平凡がよく、平凡の内にこそ深みを湛(たた)えている。
 母亡き人は天上からのまなざしを感じる日かもしれない。
 人は幾つになっても親の子ども。
 日本語に追慕という美しい言葉があるのを、幸いに思う。』

「追慕」ですか……。なるほど「美しい言葉」ですね。
今日一日は、亡き母も天上からまなざしを降り注いでくれたのかな…?

また、日経新聞「春秋」の冒頭には、次のようなドキッとする文章が…。
『職種は「現場総監督」です。原則1日24時間の勤務。
 年間365日、休暇はありません。
 食事をとる時間はありますが、他の同僚が食べ終わってからです。
 徹夜で働く場合もあります。サラリー? 無給です。
 世界で一番大事な仕事ですよ。やってみる気はありますか。』

世界で何億人もの人がこの仕事に就いている、
それが「母」という職業である、とコラムには書かれていました。

続いてコラムは曰く、
『奉仕は無償で無限。けれども総監督を引退する年齢は意外に早く来る。
 子は10代後半には母から自立し、母は子離れをして再び自分自身と向き合わねばならない。
 どちらも甘えと期待を絶つ、ほんの少しの勇気と葛藤が要る。
 お母さん、ありがとう。素直に言えるだろうか。
 大人同士だからこそ心に届く感謝の言葉もある。』

歳を重ねるにつれ、知る母の苦労…。
しかし、感謝の言葉を伝えたい時には、「その人」はいない…。
思いどおりにならないのが、「人生」なのかもしれません。