しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

逆境にあって輝く

NHKテレビテキストの『100分de名著〜菜根譚』を読了しました。

私は40代頃から「菜根譚」のファンで、
発行所や著者の異なる、次の4冊を持っています。
 ・徳間書店
 ・講談社学術文庫
 ・PHP文庫
 ・日本経済新聞社

このうち、アンダーラインが引かれていて、
手垢で汚れるほど読みこなしているのが、
PHP文庫の『中国古典百言百話1〜菜根譚』(吉田豊著)です。

このPHP文庫では、「菜根譚」のことを次のように紹介しています。
『折にふれて開けば、そのときどきにふさわしい助言や、
 励ましや、慰めの言葉に出会って、
 精神の平衡を保つうえでおおいに有効な常備薬となるにちがいない。』

そして、今回購入したテレビテキストは、
湯浅邦弘・大阪大学大学院教授の分かりやくて示唆に富んだ解説もあって、
一気に読んでしまいました。
湯浅教授による菜根譚評は、次のようなものでした。

『不遇をかこちつつも、人生を前向きにとらえる洪自誠の一字一句には、
 人生を生きる上での心構え、
 逆境にあってもなお輝く人間の真価のありかたなど、
 直接心に響くメッセージが溢れています。
 おそらく、鋭い人間観察と、自分の歩んできた人生への真摯な反省が、
 普通の思想となって結晶し、
 誰が読んでもきらりと光ってハッとさせられる教訓となっているのでしょう。』

ちなみに、私の好きな菜根譚の言葉は、
沢山あって一つだけ選ぶのは難しいのですが、例えば

『官に居るに二語あり。曰く
 「ただ公なれば明を生じ、ただ廉なれば威を生ず」。
 家に居るに二語あり。曰く
 「ただ恕なれば情平らかに、ただ倹なれば用足る」。』

湯浅教授が言われるところの、
「中国史上最高傑作の処世訓」というのは、
決して大げさではない表現だと思います。

洪自誠『菜根譚』 2014年11月 (100分 de 名著)

洪自誠『菜根譚』 2014年11月 (100分 de 名著)