「見上ぐれば 城屹(きつ)として 秋の空」(夏目漱石)
今朝の愛媛松山は、雲一つなく、透き通るような秋晴れでした。
冒頭の漱石の俳句にあるように、
お城山の美しい緑と、どこまでも青い空に挟まれるように、
今日の松山城は屹(きつ)としてそびえていました。
ところが、松山の晴天とは裏腹に、今日の愛媛新聞朝刊には、
目を覆いたくような悲惨な写真が掲載されていました。
鬼怒川の堤防が決壊し、冠水した市街地や
今にも流されそうな家の屋根の上で救助を待つ人々……。
この光景は、いつか見た光景で、今でも脳裏から離れない……。
そう、それはまるで、東日本大震災の時の光景を見ているようでした。
『「50年に1度」といわれる豪雨が、今回の氾濫の原因だ。
その豪雨をもたらしたのは台風18号から変わった低気圧。
とうに列島を通り過ぎたのに、
しめった大気を関東や東北の上空に引き寄せ続けた。
自然の力はときに鬼と呼ぶしかないほど猛々(たけだけ)しく、
神秘的でもある。だからこそ、助け合う人の姿は美しく、いとおしい。』
今日の日経新聞「春秋」には、このように書かれていました。
日本列島を襲う自然災害の恐ろしさと、
困難な局面で助け合う精神を持っている日本人の「DNA」を
改めて知ることになりました。
私の義理の甥の妻の故郷は茨城県です。
ですから、今回の災害は決して他人事とは思えません。
被災された方々に、心からお見舞い申し上げるとともに、
一日でも早く、元の生活が取り戻せることができますよう、
お祈りしています。