しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「男らしい」生きざま

日経新聞に連載中の

葛西敬之JR東海名誉会長「私の履歴書」を

毎日、背筋をピンと伸ばしながら読んでいます。

今日は、山崎豊子さんの小説「不毛地帯」のモデルともいわれた

瀬島龍三・伊藤忠商事元会長との次のような会話が紹介されていました。

 

『瀬島さんは「重役がある日全員いなくなったら、

 国鉄の輸送は大混乱するだろうか」と聞く。

 私は「重役がいなくたって、列車は毎日同じように動きますよ」と答えた。

 瀬島さんは「そうか。1カ月ぐらい止まるかと思っていたのだが」と、

 少し安心したような表情を浮かべた。

 

 帰り際、その日に限って瀬島さんがエレベーターの前まで送ってくれた。

 意外に思った私に、瀬島さんはこう言った。

 「覚悟を決めてやりたまえ。国家は君たちを見捨てるようなことはしない」』

 

う~む、まいりました…。

会話の最後の「覚悟を決めてやりたまえ。

国家は君たちを見捨てるようなことはしない。」には正直しびれました。

 

国鉄の分割民営化」を信念に

孤軍奮闘する葛西さんも「男らしい」と思いましたが、

その葛西さんを上記のような言葉で励ます、瀬島さんも「男らしい」と思いました。

 

その一方で、長い公務員人生で

葛西さんのように「骨身を削って働いてきたか?」と自問すると、

とても恥ずかしい気持ちになる自分がいます。

 

ところで、「男らしい」といえば、

浅田次郎さんの小説「壬生義士伝」にも次のような会話がありました。

 

『男なら男らしく生きなせえよ。

 潔く死ぬんじゃねぇ。潔く生きるんだ。

 潔く生きるてえのは、てめえの分(ぶ)を全うするってこす。

 てめえが今やらにゃならねえこと、てめえがやらにゃ誰もやらねえ、

 てめえしかできねえことを、きちんとやりとげなせえ。

 そうすりゃ誰だって、立派な男になれる。』

 

人生を「男らしく生きる」ことも、結構大変です……。