日経新聞に連載中の
毎日、背筋をピンと伸ばしながら読んでいます。
瀬島龍三・伊藤忠商事元会長との次のような会話が紹介されていました。
『瀬島さんは「重役がある日全員いなくなったら、
国鉄の輸送は大混乱するだろうか」と聞く。
私は「重役がいなくたって、列車は毎日同じように動きますよ」と答えた。
瀬島さんは「そうか。1カ月ぐらい止まるかと思っていたのだが」と、
少し安心したような表情を浮かべた。
帰り際、その日に限って瀬島さんがエレベーターの前まで送ってくれた。
意外に思った私に、瀬島さんはこう言った。
「覚悟を決めてやりたまえ。国家は君たちを見捨てるようなことはしない」』
う~む、まいりました…。
会話の最後の「覚悟を決めてやりたまえ。
国家は君たちを見捨てるようなことはしない。」には正直しびれました。
「国鉄の分割民営化」を信念に
孤軍奮闘する葛西さんも「男らしい」と思いましたが、
その葛西さんを上記のような言葉で励ます、瀬島さんも「男らしい」と思いました。
その一方で、長い公務員人生で
葛西さんのように「骨身を削って働いてきたか?」と自問すると、
とても恥ずかしい気持ちになる自分がいます。
ところで、「男らしい」といえば、
浅田次郎さんの小説「壬生義士伝」にも次のような会話がありました。
『男なら男らしく生きなせえよ。
潔く死ぬんじゃねぇ。潔く生きるんだ。
潔く生きるてえのは、てめえの分(ぶ)を全うするってこす。
てめえが今やらにゃならねえこと、てめえがやらにゃ誰もやらねえ、
てめえしかできねえことを、きちんとやりとげなせえ。
そうすりゃ誰だって、立派な男になれる。』
人生を「男らしく生きる」ことも、結構大変です……。