「難しい事柄を平易な例え話で分かりやすく説明できる才能」
このような才能を持っている人を、いつも羨ましく思っています。
今月16日の日経新聞「核心」欄に掲載された
滝田洋一編集委員の「日本経済は白雪姫か」という
次のような記事もその一つです。
『デフレのリンゴを食べて長いこと眠り込んでいた日本経済という白雪姫。
日銀総裁の王子が現れて異次元緩和というドラをたたくと、
ようやくまばたきを始めた。そこに中東の王様が思わぬ贈り物を持ってきた。
贈り物の原油安は喜ばしいが、おやおや姫は再びまどろみだしたようだ。
最大の見せ場は白雪姫にリンゴの味を忘れさせ、
元気に舞台で踊り回らせることにある。』
日本経済を「白雪姫」に例えたこの文章を読むと、
自然とこの続きも読みたくなってしまいます。
滝田編集委員によると、
どうやら安倍首相が監督を務める「デフレ脱却劇」は、
「輸出」という役者が舞台の袖にとどまっていることで、
その進行が中だるみしてきたようです。
その要因の一つは、
14年4月の消費税増税が、日本経済にとって予想外の重圧になったこと。
政府は14年度の実質成長率を当初、1.4%と見込んでいたけれど、
実際には0.9%のマイナス成長。
2.3ポイントも成長率が下振れしたことで、物価の頭も抑えられてしまった。
も一つが、14年夏からの原油急落。
15年度上期だけでも鉱物性燃料の輸入額は前年同期比で4兆円も減り、
日本にとってボーナスとなったが、半面、物価は抑えられた。
さらに、今年夏ごろから、
原油安の背景となっている新興国経済、とりわけ中国経済の減速が、
日本経済のリスクとして強く意識されるようになったこと。
『白雪姫はちょっと油断するとまどろみ始める。』
記事ではこのように書かれていましたが、
日本経済が再び永い眠りについてしまったら困りますよね…。
童話の世界でも、白雪姫を助ける王子は、頻繁には登場しませんから……。