今月12日の施政方針演説で安倍首相は、
岩倉具視、岡倉天心、吉田松陰、そして吉田茂の、
4人の先人の言葉を演説中に盛り込まれていました。
具体的には、次のような内容です。
『明治国家の礎を築いた岩倉具視は、
近代化が進んだ欧州列強の姿を目の当たりにした後、このように述べています。
「日本は小さい国かもしれないが、国民みんなが心を一つにして、
国力を盛んにするならば、世界で活躍する国になることも決して困難ではない。」』
『「変化こそ唯一の永遠である」
明治時代、日本画の伝統に新風を持ち込み、改革に挑んだ岡倉天心の言葉です。』
『「知と行は二つにして一つ」
何よりも実践を重んじ、明治維新の原動力となる志士たちを育てた、
吉田松陰の言葉であります。』
『「日本国民よ、自信を持て」
戦後復興の礎を築いた吉田茂元総理の言葉であります。』
いずれの言葉も重みがありますが、
私がこれら4人の先人の言葉よりも感動したのは、
二十歳の娘さんを持つお母さんから、
安倍首相に届いたという手紙のなかの言葉です。
首相の演説によると、
この娘さんは、幼いころから学習困難があり、
中学1年生の時には不登校になったけれども、
フリースクールとの出合によって、自信を取り戻し、
社会の偏見に悩みながらも、
今は就職活動にもチャレンジされているとのことでした。
首相が紹介された手紙の内容は、次のようなものでした。
『子どもは大人の鏡です。
大人の価値観が変わらない限りいじめは起こり、無くなることはないでしょう。
……多様な人、多様な学び、多様な生き方を受け入れ、
認め合う社会を目指す日本であってほしいと切に願っています。
ちっぽけな母親のお願いです。』
見知らぬお母さん……、
あなたの存在は「ちっぽけ」かもしれないけれど、
その「願い」はとても「寛大」で、しかも「偉大」だと思います。