しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

仏教の本筋を学ぶ

NHKテレビテキストの
『100分de名著〜ブッダ最期のことば』を読了しました。
テキストの著者は、佐々木閑花園大学教授です。

テキストで印象に残ったのは、次の3個所でした。

 ・仏教とは、ブッダを神のようにあがめる宗教なのではなく、
  一人の人間としてのブッダが説き残した、その言葉を信頼する宗教であり、
  しかもその言葉を単に床の間に飾っておくのではなく、
  言葉に従って自分自身で努力していかなくてはならない宗教だ、
  ということなのです。

 ・死が人生の総決算ならば、死ぬことの意味は、その人の人生全体で決まるはずです。
  死ぬ間際になって急に人生を飾ろうとしてもそれは無理です。
  死ぬことを忘れて日々を送っている、この日常の毎日が、
  実は私たちの人生を形作っているのであり、
  そして私たちの死の価値を決めていくのだということを思えば、
  毎日が死の準備だということになります。

 ・これまで「100分de名著」では、「真理のことば」「般若心経」
  「最期のことば」と  三本の仏教経典をご紹介してきました。
  それぞれが違った立場で仏教を語ってきましたが、すべてに共通するのは、
  生きる苦しみをなんとか安楽な状態に転換しようとする強い意志です。
  「生きることは苦しみだ」と知った時から、
  人は他者の苦しみが本当に理解できるようになり、
  そして深い智慧を働かせることができます。
  苦しみの自覚が深い慈悲と智慧を生み、それが自己救済への道を開いていく。
  これが三本の経典に共通する原理であり、仏教という宗教の本筋です。

テレビ解説を観て、同時にテキストを読むとさらに理解が進みます。
それにしても、佐々木教授の解説はとてもお上手で、大変分かりやすいです。
三本の仏教経典のうち、最も印象に残っているのは、
やはり自分にとって身近な「般若心経」です。

「自分を救えるのは自分自身である。」
このことが理解できないまま、どうやら一生を終わりそうで……す。
「怠ることなく修行する」のは実に難しい…。(ため息)