しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

故郷を思慕する

朝日新聞天声人語」を読んで、
今日13日が、石川啄木の没後103年の命日であることを知りました。

高校時代から大学時代にかけて、啄木の歌集を好んで読みました。
なぜだかよく分かりませんが、いつまでも心の奥底に残るものがあります。
ですから、私の枕元には『啄木歌集』(久保田正文編:角川文庫)が、
今でもすぐ手の届くところに置かれています。

 東海の 小島の磯の 白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる
 たはむれに 母を背負いて そのあまり 軽きに泣きて 三歩あゆまず
 はたらけど はたらけど猶 わが生活楽にならざり ぢつと手を見る
 ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく

あまりにも有名なこれらの歌もさることながら、
私は、次の三つの歌なども「お気に入り」です。

 砂山の 砂に腹這い 初恋の いたみを遠く おもひ出づる日
 友がみな われよりえらく 見ゆる日よ 花を買い来て 妻としたしむ
 ふるさとの 山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山は ありがたきかな

さらにこのなかでも、「ふるさとの…」は、
故郷を思慕する気持ちが、短い文章に見事に凝縮されていると思います。

今夜は、寝る前のひと時、久し振りに「啄木ワールド」に浸ることとします。