気がつくと大型連休は、あっという間に過ぎ去っていました。
その大型連休中に観た映画「風に立つライオン」のなかで、
さだまさしさんが歌う同名の主題歌を初めて聴きました。
感動的なシーンでのバックグラウンドとしてその曲は流れていて、
もちろんその時は目から次々と涙がこぼれて、
歌詞の内容は十分把握できなかったけれど、
あとでユーチューブで聴き直してみると、
改めてその内容の素晴らしさと同時に、切なさにも気がついた次第です。
そして、よくよく考えてみると、
ここ数十年間のさださんの新曲を、ほとんど知らない自分にも気がつきました。
だって、私が知っているのは、
「追伸」、「天までとどけ」、「つゆのあとさき」、「交響曲」、
「案山子」、「主人公」……この頃の曲です。
今回、「風に立つライオン」の歌詞を聴いて感じたのは、
さださんの名曲「歳時記」と相通じるものがあるのではないか、ということです。
たとえば、「風に立つライオン」の最後の歌詞は、
♪最后になりましたが あなたの幸福を 心から遠くから
いつも祈っています おめでとう さよなら
また、「歳時記」の最後の歌詞は、
♪今思い出を煙に帰して せめて君の明日を祈る
さよなら 僕の好きだった人
どちらの心境も、私には切ないほど理解できます。
ちなみに、さださんは、
『さだまさし 時のほとりで』(新潮文庫)の、
「歳時記」の解説で、次のようなことを述べられています。
『言葉を尽くしても愛は語れず、また愛を尽くしても言葉にならない。』
『人は誰でも傷つけまいとして傷つけ、
傷つくまいとして、さらに傷ついて、生きているのでしょうか。』
けだし、名言だと思います。