しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

短期成果主義の弊害

久しぶりに、日経新聞「経済教室」に関する日記を書きます。

今月18日の「経済教室」は、
「戦後70年 日本の立ち位置は」の第1回目、
執筆者は猪木武徳青山学院大学特任教授で、
タイトルは、『「国力」支える人材育てよ』でした。

論考のなかで、気になる記述が2箇所ありました。
一つ目は、次の記述です。

『20世紀がアジアにおける日本の突出した経済力の時代であったため、
 日本は歴史的に常にアジアの先導者であり続けてきたと考えるようになった。
 しかしこれは長いアジアの歴史を無視した
 明治以降の日本人の優越感によるゆがんだ認識にすぎない。
 実際は、19世紀末葉からの工業化の成功によって、
 日本は中国の威圧感から解放されたとみるのが妥当であろう。』

二つ目は、次の記述です。

『技術の偏重、製造業の軽視、近年の短期的な「成果主義」に基づく人事政策は、
 長期的な競争に基づく人材の評価のシステムを
 突き崩す方向へと進んでいるようにみえる。
 日本は、自らの持てる「宝」を捨てようとしてはいないだろうか。
 成果主義能力主義といった短期的勘定に基づく報酬システムには、
 仕事を通して「人を育てる」という長期的な視点が欠落しており、
 日本経済を衰退へ導く危険性をはらんでいるのだ。』

この二つの記述から導き出される結論は、
一つは、リスクを含めた中国の経済力を過小評価してはならないこと。
もう一つは、技術の合理性と人間の精神の間のバランスが求められていること。

う〜ん、いつものように、猪木教授の論考は論旨が明快で、
分かったような気持にはさせてもらえるけれど、
肝心要なことは、私には何も理解できていないのかもしれません。

私なりの理解では、
日本経済の長期的な成長力を確保・維持していくためには、
「短絡的な考え」や「視野の短期化」を
現に慎まなければならない」ということでしょうか……?

まだまだ勉強不足のようです…。