しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

低成長時代のインフレ目標

今日は、二十四節気の「芒種」です。
「西日本では梅雨に入る頃」とされていますが、すでに四国地方は梅雨入りしています。
でも、今日は、風も涼しくてさわやかに晴れた一日でした。
午後5時を過ぎたというのに、西日が窓に降り注いでいます。

さて、一か月ほど前の5月2日に掲載された朝日新聞の社説、
『インフレ目標〜「緩和の罠」を招かないか』という記事が
手元にあることを、今頃になって気づきました。

「日銀が最終的にめざすのは「経済の好循環」のはずなのに、
そうはなっていない。インフレ目標は必要なのか。」
このように、社説では疑問を投げかけています。

「そうはなっていない」とは、具体的には、
「実需は盛り上がらず、物価も目標に届かない。
おまけに賃金は物価ほど上がっていないから、
家計はむしろ苦しくなっている。」、このような状況で、
この点に関しては、日々生活をしている者として、そのとおりだと思います。

さらに、社説では、インフレ目標政策にともなう副作用、
将来支払わされる代償の大きさは、
国民が気づかないうちに次第にふくらんでいるとして、
次のように書かれていました。

『日銀はいま、量的緩和政策の一環として毎年80兆円規模で国債を買い増している。
 それは政府の新規国債発行額の2倍の規模だ。
 これは事実上、政府予算を日銀がまかなう財政ファイナンスといえる。
 その色彩がますます強まっている。』

そして、社説の最後の箇所では、次のような警句が…。
『いまのままでは2%達成もできず、
 痛みを恐れて脱却もできない「緩和の罠(わな)」から逃れられなくなる。
 行き着く先でどのような代償を求められるのかさえわからないギャンブルに、
 国民生活を賭けることはできない。』

サマーズ元財務長官は、
日本をはじめとする、成熟社会を迎えた先進国は、
高齢化で人々が消費せずお金を貯蓄に回し、
需要が不足する構造問題に陥っていると、
世界経済の「長期停滞論」を唱えているとのことも紹介されていました。

なんだかよく分からないけれど、
株価が2万円を超えても、足元ではその実感がないのが正直な気持ちです。
低成長時代にインフレ目標を掲げて金融緩和を進めることは、
本当に無理があることなのでしょうか?