また一つ、これまで知らなかった言葉に出会いました。
今月22日の日経新聞「春秋」に、
『亢竜(こうりょう)の悔いあり』という言葉が紹介されていました。
「天に登った竜は下るしかない宿命にある」という意味だそうです。
コラムは、東芝による1500億円を超える不適切な会計事案に関する話題でしたが、
「トップの地位は揺らぎやすいので自戒せよとも取れる。
歴代の社長が部下を理不尽に叱責してまで守りたかったものは何か。」と、
東芝という名門企業を「竜」に例えて、この言葉が効果的に使われていました。
一方で、同じコラムには、次のような文章もあって、
東芝の社員には、むしろ同情的な表現が使われています。
『社長月例という会議で、社内カンパニーの長らに
「チャレンジ」と称する過大な目標の設定が命ぜられる。
意を受けた事業部長、社員らが会計操作に手を染め続ける。
内部統制も効かない。
誰もが「まずい」と思いつつ、破滅の坂を転がっていく。
どれだけの人が苦い酒を飲み、眠れぬ夜を過ごしたかと同情を禁じ得ない。』
「上司の意向に逆らうことのできない企業風土」
「仏作って魂入れず。器はいくらでも立派に作れるが、結局は、使う人次第」
コラムでは、このような文章もありました。
これらは、どの組織にもあり得ること…。
ですから、「組織の一員である私」にも他人事とは思えず、
かつ、社員の方には、ついつい同情的になります。
だって、上司の意向や命令にはなかなか逆らえないのが実情ですから…。
くり返される「組織の不祥事」……。
「組織」という「生き物」には、「魔物」が棲んでいるのでしょうか?