『人生の極意〜何を支えに生きるか』(松原泰道著:PHP文庫)を読了しました。
1987年7月が第1版第1刷の少々古い本ですが、
アマゾンの中古品を購入して読みました。
「本書は、禅の言葉や禅問答を、
様々なエピソードをまじえて平易に解説し、
その中に秘められた人生の極意を解き明かした好著である。」
……このように本の裏表紙に紹介文がありました。
確かに、いろいろと人生の勉強になるような記述がありました。
その中でも、特に印象に残ったのは、次の文章でした。
『人生は、マラソンだといくいわれるが、
現代の如き複雑な時世にはふさわしくない比ゆだと思う。
私は、人生の意味や価値は
リレーレースの一区間を受け持つ一走者が疾走する努力に譬えられると思う。
なぜなら、長い人生をマラソン競走のように一人で走ろうとすると、
どうしても疲れて無理が生じる。
それよりも継走(リレー)の定められた距離を、
先の走者からバトンを譲り受け、自分は全力疾走をして次の走者にバトンを渡す。
このように、自分の一生と言う区間を精いっぱい生きて時代に譲り、
はじめて人生の目的が達成出来るのだと思う。』
なかなか含蓄に富んだ言葉だと思いました。
そのほか、「読書」に関する次のような文章もありました。
『心の傷を癒し、その心の健康を維持するには、読書がいい。
よい書物は、いつも変わらぬ態度で私たちに接してくれるからだ。
人間と違って書物には感情の起伏がないからである。』
縁あって、この本と巡り合うことができました。
本との出合いも、人生の出会いとよく似ていますね…。