まるで梅雨のような天気が続いています。
この普通でない天気に対する思いは皆さん同じようで、
産経新聞「産経抄」では、次のように書かれていました。
『雨が降ったり、やんだり、ここしばらくお日様を拝んでいない。
残暑を経験しないまま、秋を迎えそうだ。
あの猛暑は、なんだったのだろう。』
猛暑の日には太陽が恨めしく、雨が続くと太陽が恋しい……。
基本的に人間は、「わがまま」なのだと思います。
だって、カール・ヒルティの、次のような名言があるくらいですから…。
『人生において最も耐え難いことは、
世の経験をつんだ多くの人々の言によると、
悪天候が続くことではなく、雲ひとつない日が続くことである。』
ところで、今日の朝日新聞「天声人語」には、
2020年東京五輪の公式エンブレムに関するコラムが掲載されていました。
こちらも、一般的な国民の声を代弁しているような記事でした。
『シンプルな形を組み合わせるデザインは俳句と同様、
類似が起きやすいのかもしれない。是と非の境目が素人には分かりにくい。
デザイナーの佐野研二郎氏は模倣ではないとしつつ、
五輪への悪影響を考えて取り下げを申し出たという。
新国立競技場といい、つまずき続きの五輪である。
季節違いをお許しいただいて俳句で締めれば、
〈海に入りて生れかはらう朧月(おぼろづき)〉高浜虚子。
ざんぶと一度沈んで洗われて、生まれ変わって上がってくる。
五輪準備もそうであれ。』
う〜む、なるほど……。「デザイン」と「俳句」ですか…
「シンプムだけど奥深いもの」といえば、俳句に優るものはありません。
でも、朧月の季語は春ですよね。
「ざんぶと一度沈む」には、ずいぶん冷たすぎると思います……。