しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

言葉を友人に持つ

『クラスメートやメル友だけが友達ではない。

「言葉を友人に持とう」と言ったのは寺山修司だった。』

 

この文章で始まる今日27日の朝日新聞天声人語」は、

「私の折々のことばコンテスト」の優秀作品を紹介していました。

朝日新聞が中学・高校生に、大切にしている言葉とそのエピソードを募ったら、

1万6千超の応募があったそうです。

 

どんな作品があるのか興味があって、さっそく同コンテストのHPを閲覧したところ、

愛媛県の女子中学生の、次のような作品に目が釘付けになりました。

『幸せになりなさい。先生からの最後の宿題です。』

 

小学校卒業式の日の最後の学級会。

先生はこの言葉に続いて、『提出期限は生きている間』と付け加えたそうです。

この言葉を聞いた彼女は、

『それ以来、宿題ということばを聞くたびにこのことを思い出す。

 幸せになるには何をすべきか、色々考えているが自問自答が続いている。

 宿題が終わったと自信が持って言える日がくるように 

 提出期限を守れるように自分と周りを信じて歩いていきたい。』、

このような思いを作品に綴っていました。

 

私はこの言葉に一番感動しました。

彼女は立派な先生に出会えてよかったですね……。

そして、先ほどの「天声人語」は、味のある次の文章で終わっています。

 

『即効薬のように力をくれる言葉がある。

 浸(し)みた雨が泉となって湧くように、時間をかけて心に届く言葉もある。

 どこか人との出会いに似ている。言葉を友人に持ちたい。』

 

また、朝日新聞「折々のことば」の筆者で、

今回のコンテストの審査委員長でもある哲学者の鷲田清一さんは、

募集に際して次のように述べられていました。

 

『なぜこの言葉にひかれるのだろうというところから、

 自己発見があると思うのです。

 この言葉と出会ったことで、あみだくじのように、

 こっちの道を歩いていたのにパッと別の道にいった、 

 そんな根の深い変化を紹介してもらえるとうれしいです。』

 

『ことばとの出会いで自己を発見する』

この出会いを求めて、私は毎日、本のページを開くのですが、

本だけでなく、人との出会いからも自己を発見したいものです。

それにしても、冒頭の寺山修司さんは「名言」を残されていますね。

やはり、言葉には人に勇気と希望を与える力があります。