遠い国の出来事で、日々の暮しには直接影響はないのに、
なぜか気になる米国の大統領選挙……。
候補者選びが本格化するなか、
共和党では右派のドナルド・トランプ氏が、
民主党では左派のバーニー・サンダース氏が、
予想外の支持を集めているのはなぜなのか?
池上彰さんが、今日22日の日経新聞「大岡山通信」で解説されていました。
その結論部分は、次のような内容でした。
『政府に期待しない勢力と、政府を強化すべきだと考える勢力。
ワシントンを敵視する勢力とウォールストリートを敵視する勢力。
アメリカの分裂が、大統領候補選びを巡って露呈しているのです。』
池上さんによると、
トランプを支持するのは、圧倒的に白人たちで、
それもアメリカでは貧困のシンボルでもある肥満体の人たちが目立ち、
一方、サンダースを支援するのは若者たちで、
支持者の集会では肥満体の人はほとんど見かけることはなく、
その代わり、黒人やヒスパニック、アジア系、中東系など
多種多様な人種の集団、とのことでした。
また、今月12日に掲載された「みずほ総合研究所」の
『トランプ旋風とサンダース革命』というレポートでは、
次のような指摘がありました。
『白人ワーキング・クラスの支持を集めているという点で、
サンダース氏の躍進にはトランプ旋風と共通した側面がある。
経済的な苦境に不満を募らせる白人ワーキング・クラスが、
民主党ではサンダース氏、共和党ではトランプ氏を支えている構図である。
サンダース氏は、大幅な富裕層増税や公的医療保険の拡充等を主張し、
白人ワーキング・クラスの支持を集めている。
一方のトランプ氏も、共和党の候補にしては珍しく、
う~む……、私にはよく分かりませんが、
米国は貧富の格差や政府に対する不信など、かなり深刻な状況にあるようです。
先ほどの池上さんは、トランプ氏について、
『金持ちを貧困層が支持するという不思議な構図がある。』とも述べられていました。
ひるがえって、わが国はどうなのでしょう?
「旋風」や「革命」は起こりそうもありませんが、
こと若者に関しては、
高齢者層への政府の手厚い支援による世代間不平等など、
「現状」への欲求不満は、静かに広がっているように感じます。