しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

反対意見が言える「風土」

今日25日の日経電子版「日銀ウォッチ」は、

マイナス金利で深まる政策委員の亀裂」』というタイトルの記事でした。

 

記事によると、先月末の日銀の金融政策決定会合で

マイナス金利政策の導入に反対した石田浩二審議委員は、

今月18日の記者会見で次のように語って、

マイナス金利政策への反対姿勢を改めて示したとのことでした。

 

・このタイミングでマイナス金利を導入しても効果が期待できない。

・民間金利もこれ以上は下がりにくい。

・銀行の貸し出し増加努力は十分で、大きく伸びるのは難しい。

 

そして、記事の解説は次のように続いていました。

『石田委員の口から次々と飛び出す発言は、

 「政策効果は十分発揮されている」と自信を示す

 黒田東彦総裁ら執行部との意見の違いを浮き彫りにした。

 しかも今回の政策変更は5対4の薄氷の決定。

 委員間の亀裂が一段と深まった印象はぬぐえない。』

 

この記事を読んで、

石田審議委員が記者会見でどのような発言をされたのか知りたくて、

さっそく日銀のHPで確認してみました。

私が興味を持ったのは、難しい金融政策のお話しよりも、

石田審議議員が自らの「任務」や「仕事」を語られた次のような発言でした。

 

『審議委員というのは、個別に独立した審議委員として与えられた任務として、

 自己の意見を自分なりに考えて、それぞれイエス、ノーを言っていく義務があり、

 それがまた仕事だと思います。一方で、政策委員会の一員としては、

 日本銀行が打つ政策の実現可能性や効力というか、

 政策の結果を出していかなければならないという責務もあります。

 その中でそのバランスをどうとっていくかは難しいところで、

 答えがあるわけではありませんので、

 その時その時真剣に考えてやっていかざるを得ないと思っています。』

 

う~む…、ここで石田審議委員が述べられていることは、

とても大事なことだと思います。

記事で書かれていた「委員間の亀裂が一段と深まった」という印象よりも、

むしろ、反対意見を正々堂々と主張できて、

なおかつ、それをオープンに公表できる「風土」が、

日銀だけではなく、あらゆる組織には必要なことを、私は痛感しています。