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しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

日本人の共感性

読書・文学

このところ、飲み会が続いていて、読書量が落ちています。

そんななか、NHKテレビテキストの100分de名著『司馬遼太郎スペシャル』を

読了しました。ゲスト講師は、歴史家の磯田道史さんです。

 

テキストの冒頭、カラー刷りで司馬さんのエッセイ

「二十一世紀に生きる君たちへ」が紹介されていて、

色鉛筆で推敲に推敲が重ねられた原稿がとても印象的でした。

 

400字詰めの原稿用紙10枚ほどの短いこのエッセイは、

司馬さんが膨大な時間をかけて小学生向けに執筆したそうで、

磯田さんによると、司馬さんが子どもたちに伝えたかった主旨は、

おそらく日本人の最も優れた特徴である「共感性」を伸ばすことだった、

と解説されています。

 

そして、その「共感性」についての解説が、次のように続きます。

『これからの世界は「おれがおれが」と自分の意見や利益を口にするだけでは

 何も解決しない時代に入ると思います。

 現在の世界は、どちらが強いか、どちらの利益を優先するかばかりが

 議論されているように見えます。

 グローバル化がさらに進めば、異なる価値観を持つ国家や人間どうしが

 向き合わざるを得なくなる局面が増えてきます。

 相手よりいかに優位に立つかに汲々とするより、

 むしろ相手の気持ちがわかる、 共感性が高いといった、

 どんな文化の違う人にも適応し理解することができる能力が重要になるはずです。

 その共感性が高いのが日本人なのです。』

 

日本と日本人を見つめてきた司馬さんが、

二十一世紀に生きる日本人に求められる資質として、

「共感性と自己の確立」を問いかけているのではないか、

という磯田さんのご指摘は、深く考えさせられるものがありました。

 

このほか、テキストでは「国盗り物語」や「花神」という

私がまだ読んだことのない司馬さんの本が取り上げられていて、

とても新鮮な気持ちでテキストを読むことができました。

また、「課題図書」が増えてしまいました。(笑)

 

司馬遼太郎スペシャル 2016年3月 (NHK100分de名著)

司馬遼太郎スペシャル 2016年3月 (NHK100分de名著)