昨日2日の日経新聞「教育」欄に掲載された
『大人になるためのリベラルアーツ㊦』を読んで、
大学における教養教育の大切さを再認識しました。
記事によると、東京大学の総合的教育改革の一環として新設された
後期教養科目(専門を学んだ後の教養教育)の中の1科目
「異分野交流・多分野協力論」では、毎回違ったテーマを用意し、
学部の枠を越えて他の専門分野の人と議論する形式の授業を
取り入れているとのことでした。
授業のなかで徹底しているのは、
①自分のやっている仕事(あるいは学問)および自分の持っている知識が
社会の中でどういう意味をもつか
②自分のやっている仕事(あるいは学問)を全く専門の異なる人にどう伝えるか
③具体的な問題に対処するときに他の分野の人とどのように協力できるか
の3点について、毎回の具体的テーマの中で掘り下げて考えてみることだそうです。
ちなみに、授業のテーマをいくつか列挙すると、
・餓えた子どもを前に文学は役に立つか
・真理は一つか
・国民はすべて知る権利があるか
・議論によって合意に達することは可能か
・差違を乗り越えることは可能か などなどです。
う~む、実にうらやましい……。
私も大学生の時に、このような授業を受講したかったです。
私が大学生の頃は、大きな教室に大勢の学生が講義を受講するのが一般的でした。
そうした授業が休講になると、当時は嬉しくてたまらなく、
今から思うと、もっと真面目に勉強しておけばと反省しています。
『教養とは知識の量ではなく、
いついかなるときにでも自らの知識を総動員して他者に説明でき、
的確な判断を下せる能力のことである。
リベラルアーツの理念に基づく教養教育とは、
人間が独立した自由な人格であるために身につける学芸のことを指す。』
記事では、「教養」をこのように定義していました。
今では、大学における教養教育の重要性が痛いほどよく分かります。