古びた三冊の本を書棚から取り出して、
懐かしい思いでページをパラパラとめくってみました。
三冊の本とは、『路地裏の経済学』、『続・路地裏の経済学』、
そして『日本経済の先を読む』で、
これらの本の著者は、経済評論家の竹内宏さんです。
その竹内さんが、先月30日に85歳でお亡くなりになったという記事が、
今日の新聞に掲載されていました。
私が社会人になって、経済現象や経済学に興味を抱くようになった、
そのきっかけを作ってくれたのが『路地裏の経済学』でした。
身近な世間の話題を、経済学という視点から平易な文章で解説されていて、
それまで取っ付き難かった経済学を、親しみやすく感じさせてくれた本です。
ところで、先ほどの『日本経済の先を読む』の最終章は、
「国内の難問を解決するキーポイント」というタイトルです。
その最後の箇所で、竹内さんは、
『ただひとつ、私が考えても解決の道のない難問がある。
これは日本国家の存亡にかかる大問題である。出生率の低下だ。』
『民族存亡の危機で、経済の安泰どころの話ではない。』と指摘されていました。
博覧強記の竹内さんでさえ解くことができなかった難問は、
平成28年の今現在も、少子化問題として解決されないままとなっています。
竹内さんは、この問題を心配されながら旅立たれたのではないでしょうか…。
ご冥福をお祈りします。