今日7日の日経新聞「キャリアアップ」欄に、
「日本を変えるリーダー」の育成に取り組む
NPO法人アイ・エス・エル理事長、野田智義さんへの
インタービュー記事が掲載されていました。
野田さんは、15年で800人以上の経営者や経営幹部を輩出してきたそうです。
Q. リーダーの育成には何が必要ですか。
A.リーダーは育てるものではなく育つもの。
我々は育ちやすくする触媒と場を提供している。
自らと向き合い、周囲と鍛錬し合い、羽ばたける機会を提供することで
人は成長できるはずだ。
日本では優秀な大学を出た「不真面目な優等生」が多い。
与えられたものをそつなくこなすことはできるが意味や意義を考えない。
日本に必要なのはむしろ「真面目な不良」。
周囲に反発しながらも自分自身の頭で考え現実と向き合う人だ。
う~む、なるほど……。
「リーダーは育てるものでなく育つもの」なのですね。
そして次に、「リーダーの心得」として、野田さんは次の3つを挙げられていました。
① 確固たるビジョン・目的意識
⇒他者や世間体に依存せず、自分は何者で何をしたいのか問い続ける姿勢。
リーダーシップとは人を仕切ることではなく、自分をリードすること。
② あらゆることから素早く学ぶ能力
⇒周囲の人と真剣に向かい合い、信用を蓄積し、
応援してもらえる環境をつくること。
③ 変化の速い中で針路を決める力
⇒自分の知らないもの、自分とは違うもの、世界や他人への関心を持つこと。
そして情熱。熱い思いがないところにリーダーシップは生まれない。
リーダの育成に限らず人材の育成に関し、ここまで日記を書いて思い出したのが、
今年4月の朝日新聞「論壇時評」に書かれていた内容です。
『経済指標の低下と民主主義指標の低下の現状にある日本。
昔なら、国民が黙々と働いていれば、経済は伸びた。
しかし現代は、知的産業や高付加価値化がものをいう。
そこで重要なのは、自分の頭で考え、自発的に行動できる人的資源だ。』
と小熊さんは述べられたうえで、
『日本の停滞の一因は、人的資源、つまり「人間」を尊重しなかったことだ。』
と指摘されていました。
リーダーの育成も大切ですが、国の人的資源そのものを劣化させる
「教育程度の低下」や「格差拡大」に、
まずは歯止めをかけることが大切なのかもしれません。
「人的資源なくしてリーダーの育成なし」といったところでしょうか…?