今日12日の日経新聞一面に掲載された次の記事を読んで、
目から鱗の思いがしました。
『22日公示ー7月10日投開票の参院選で、
投票箱をワゴン車に載せて各地区を巡回する「移動投票車」が
全国で初めて登場する。島根県浜田市が期日前投票で取り入れる。
有権者の少ない地域で投票所の統廃合が進み、
過疎地での投票機会の確保が課題になっている。
投票率を高める新しい手法として全国的に広がる可能性がある。』
う~む、恐れ入りました…。
私は、定年前の地方自治体で選管書記を通算で14年間務めました。
当時から、過疎化が進む地域においては、
「投票所までの距離が遠い」とか、
「投票立会人の確保ができない」といった課題がありました。
でも、「投票所そのものを動かす」とか、
「自動車内に投票所を設置する」という発想を思い付くことはありませんでした。
記事にも書かれているように、
確かに公職選挙法では、自動車内の投票所設置を禁じる規定そのものはなかったと
記憶しています。
この浜田市の事例が、投票率向上の先駆的な取組みになるかどうか、
そして、同じ日経新聞一面の「春秋」には、
オフィス街の路上に、キッチン設備を備えたワゴン車を停め、
そこで自家製の弁当を売るというニュービジネスが紹介されていました。
ワゴン車の店主はいずれ自前の店を構えたい日本の若者や、
アジアなどから来た人々で、珍しい料理が安く早く買えると、
若い会社員らが列を作っているそうです。
『法的にグレー。前例がない。
そうした点に皆がこだわっていたら、今のにぎわいはなかった。』
「春秋」コラムニストの、このようになコメントが印象的でした。
選挙の移動投票車とオフィス街での弁当ワゴン車、
同じ一面に掲載されていたのは単なる偶然でしょうが、
二つの記事には、「有権者目線」、「消費者目線」に基づいた
「発想の転換」という、「ある種の共通点」があるような気がします。