『空飛ぶタイヤ㊤㊦』とほぼ同時期に読み終えていましたが、
読書感想文を書くのが遅くなってしまいました。
この本もとても面白くて、一気に読み終えました。
著者の作品は、読んでいる途中で一息つくのが難しいです。
さて、いつものように、登場人物のセリフで印象に残った箇所を抜き出してみました。
・『どんな会社でも、必要としてくれるところで働けるのなら。
それが一番幸せだ』(原島営業二課長の父)
・『会社にとって必要な人間なんかいません。
辞めれば、代わりを務める誰かが出てくる。
組織ってそういうもんじゃないですか』(坂戸営業一課長)
・『仕事っちゅうのは、金儲けじゃない。人の助けになることじゃ。
人が喜ぶ顔を見るのは楽しいもんじゃけ。そうすりゃあ、金は後からついてくる。
客を大事にせん商売は滅びる。』(村西副社長の父)
う~む……。思わずため息が出そうなセリフです。
「組織」や「仕事」の真理というものを、うまく登場人物に語らせています。
なお、本の題名は「七つの会議」となっていますが、
実際は「八つの短編」から構成されています。
(解説によると、単行本化に際して1篇を加筆されたようです。)
その一話一話に絶妙なリンクが張られていて、読者を飽きさせることがありません。
著者の構想力に脱帽です……。次はどの作品を読もうかなぁ~。