しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

希望だけがない国

Kちゃん、昨日はコメントありがとうございました。

皆で助け合って、ハードでタイトな選挙事務を乗り切ってきたこと、

当時は大変だったけれど、今となっては懐かしい思い出ですよね…。

 

さて、今日23日の日経新聞に掲載された

芹川洋一・論説主幹の執筆による『将来不安の解消こそ争点だ』という論評の

次の箇所を読んで、私もまったくそのとおりだと思いました。

 

『多くの人が今、切実に感じていることはなんなのだろうか。

 それには時代の空気をあらわすキーワードを考えたらいい。

 おそらくその言葉は「将来不安」である。』

さらに、芹川さんの論評は次のように続きます。

 

『経済人と話しても、若い人と話しても、共通に発せられるからだ。

 企業はグローバル競争にさらされ経営環境は厳しさを増している。

 国内では少子高齢化で人口が減り需要も伸び悩む。

 先行き不安から企業の内部留保は積み上がる。

 家計についても賃上げがあっても消費は上向かない。

 

 新たに有権者になる18、19歳を対象にNHKが実施した若者意識調査によると

 「日本の将来は明るいと思う」は38.4%しかいない。

 これに対し「思わない」は60.9%にも上る。展望がひらけないのである。

 

 政治はこれに応えなければならない。それにはこれからの国の針路を示すこと。

 若者たちに希望を持たせるのが何より大事だ。

 少なくとも将来不安を解消するための方向性だけでも示し、

 議論を戦わせるべきだ。』

 

かくいう私にも「将来不安」があります。

「自分と家族の健康のこと」、「父の介護のこと」、「娘と孫娘の将来のこと」、

「年金受給開始までの生活費確保のこと」などなど……。

 

そして、「将来不安」という言葉を聞いて思い起こすのは、

村上龍さんの『この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。

だが、希望だけがない。』という「名言」です。

 

この「名言」について、哲学者の鷲田清一さんは、

朝日新聞「折々のことば」で、かつて次のように解説されていました。

『未来のビジョンを語れずに、

 惰性と優柔不断の中で付け焼き刃の策を打つしかない時代、

 豊かさの見かけの中で閉塞だけが深まりゆく時代を、

 作家は「ゆっくりと死んでる」と表現した。』

 

う~む、そうだとすると、私たちは、

未来のビジョンを語れる「本物」の政治家と政党を、

今回の選挙で真剣に選ばなければなりませんね。

この国を死なせないためにも…。