しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

中所得の罠と覚醒

連日、厳しい暑さが続いています。

一雨が待ち遠しいのですが、空を見上げても全く期待できそうにありません。

そのうち「夕立」という言葉が死語になるのではないかと、

私は真面目に心配しています。

 

さて、ロシアなど天然資源に恵まれた国が、

経済的には決して豊かではないことを、以前から不思議に思っていましたが、

日経新聞「やさしい経済学」で連載中の『中所得の罠とアジア』を読んで、

その理由が少し理解できたように思います。

記事には次のように書かれていました。

 

『経済学では、天然資源が豊かな国は工業化できないという見解が定着しています。

 これを「オランダ病」ないし「天然資源の呪い」といいます。

 普通に考えると、資源輸出がもたらす潤沢な資金で工業化が促進されそうですから、

 これは逆説的結果です。けれども、その国が持つ限られた頭脳と労働と資本が、

 一番もうかる資源開発に集中投下されますから、製造業に回る分が少なくなります。

 また労働者の取り合いで賃金も上昇します。

 輸出代金の流入によって自国通貨が上昇すれば、製造業の競争力が失われます。

 さらに資源権益の奪い合いが発生すれば、

 政治闘争、汚職腐敗、技術や投資の軽視が進行します。

 だから工業化を目指すには資源が発見されない方がよいのです。』

 

う~む……。そんなものなのかな…。

確かに、日本は資源が少なくて、工業化には良かったのかもしれませんが、

その資源が少ないがために、先の大戦を引き起こしたことや、

リスクを全否定できない原子力発電に、

今後も頼らざるを得ない現実も忘れてはならないと思います。

 

ところで、人間にも「オランダ病」が当てはまるのでしょうか…?

天性の才能がある人が、必ずしも大成しないという例が多いことは、

ひょっとしたら、人間の生き方にも「中所得の罠」があるのかもしれません…。

記事に書いているように、

「中所得の罠」を突破するには、個々人にも「覚醒」が必要なのですね。