『人生の教養が見につく名言集』(出口治明著:三笠書房)を読了しました。
この本のなかで印象に残ったのは、
「名言」そのものよりも、著者の人生観などが含まれた解説の方でした。
たとえば、著者は、ウマル・ハイヤームの名言からは、
「仕事は人生を楽しめてこそ、がんばれる」として、次のように述べられていました。
『人生を楽しくするのはパートナーであり、家族であり、気の置けない友人なのです。
普通にご飯が食べられ、暖かい寝ぐらがあり、子どもを産み育てることができ、
なんでも話せるパートナーや友人がいれば人生はそれで十分楽しいのです。
その事実がしっかりと腹落ちできれば、
3割の仕事に振り回されたり、悩まされたりすることが
どれほどアホらしいことかがわかるはずです。』
『やることさえしっかりやってさえいれば、
仕事は本当に「どうでもいいもの」なのです。
そして、もっと言えば「どうでもいいもの」だと思うからこそ、
思い切って仕事ができるのではないでしょうか。
なぜなら、上司になんと言われようと、たとえ失敗しようが、左遷されようが、
しょせんは「どうでもいい」ことなのですから。
自分の「やるべきこと」を、自分の信念に従い
自分が納得できるまで真剣に取り組んでいけばそれでいいのです。
それが私の仕事に対する基本的スタンスです。』
『人生があってこその仕事。人生を楽しんでこそ、仕事もがんばれる。
仕事ばかりでは、人生も仕事も、どんどんつまらなくなっていきます。』
う~む、この文章をよく読むと、
昨日、一昨日と、この日記で書いた「キャリア・アンカー」の考え方、
そのものではありませんか…!!
著者によると、「人生の時間のうち仕事は3割で、
残りの7割は食べて寝て子育てをしている。」、
「仕事は3割だから、人生全体から見れば「どうでもいいもの」、
その人の人生すべてを支配するものではない。」とのことでした。
この本を読んで、少し気持ちが楽になったような気がします。
ちなみに、著者は、
「余談ですが、あらゆるイノベーションは、じつは怠け心から起こる」
とも述べられていました。
人生は、そんなものなのかもしれません……。